⚽浮沈懸けた大一番 静岡ダービー直前 清水、磐田両チーム調整
J1清水と磐田がぶつかる今季2度目の静岡ダービー(あなたの静岡新聞マッチ)が22日午後4時からアイスタ日本平で行われる。ともにJ2自動降格圏同士でJ1残留のために負けられない一戦。通算成績は磐田が25勝6分け20敗と勝ち越しているが、直近10試合は清水が7勝1分け2敗と優勢だ。両チームは21日、浮沈を懸けた大一番へ最終調整した。
⚽清水 MF白崎「一人一人が覚悟してピッチに」
清水はこの試合を落とせば自力での残留の可能性が消える。MF白崎は「一人一人が覚悟を持ってピッチに立ち、全責任を負うつもりで戦うしかない」と悲壮な決意を口にする。
主導権を握る試合展開を思い描き、準備期間の2週間は攻撃時のバランス面の確認に時間を割いた。相手の素早いカウンターに対応できる立ち位置やボールの動かし方を練習で意識づけてきた。
勝利のない直近の3試合は、一度はリードを奪いながらも拙い試合運びと守備のもろさで勝ち点を落としている。改善点は明確だ。リカルド監督は「教訓として2度と起こらないようにしないといけない」と強調し、DF原は「自分のところでやられないことはもちろん、味方のカバーもできれば」と話す。
21日の練習時にはグラウンドに選手を鼓舞する数多くの横断幕がサポーターによって掲げられた。FW北川は「鳥肌が立った。期待に応えられるように結果で示していければ」と口元を引き締めた。(運動部・市川淳一朗)
⚽磐田 MF山田「クラブの将来を左右するダービー」
最下位の磐田は前日練習を完全非公開で行った。渋谷監督によると、清水の高さのある選手を想定したセットプレーの確認に重点を置いた。チームは12日の横浜M戦で8戦ぶりの白星を挙げた。逆転での残留に向け練習に覇気が戻ってきた。
磐田はMF山田が先発復帰した9月17日のC大阪戦から3戦負けなし。3試合で6得点と攻撃のリズムが生まれてきたのは好材料。山田とともに2列目に入るMF金子は「前線の距離感や関係性が良くなった」と手応えを語り、清水の守備ブロックを崩すイメージを膨らませる。
指揮官は先制点の重要性とともに相手得点源となるFWチアゴサンタナを警戒し「クロスから点数を取るイメージ。彼を生かさないようにしたい」とエース封じの方策を練る。
選手契約問題で来年の補強禁止処分を受けるなど、チームは揺れている。山田は「クラブの将来を左右するダービー。いい形で90分を終えて笛を聞きたい」と目の前の試合に集中する覚悟を示した。(運動部・名倉正和)