⚽残留懸け主力火花 J1静岡ダービー、22日午後4時キックオフ
J1清水と磐田がぶつかる今季2度目の静岡ダービー(あなたの静岡新聞マッチ)が22日午後4時から、アイスタ日本平で行われる。台風被害の影響で延期となった伝統の一戦は、ともにJ1残留を懸ける重要な試合。終盤の大一番を前に、勝敗の鍵を握る両チームの主力選手にダービーへの熱い思いを聞いた。
⚽清水 北川「決勝ゴールを」
清水のFW北川航也(25)=清水ユース出=は3季ぶりの静岡ダービーに挑む。オーストリア1部ラピッド・ウィーンでの3年間のプレーを経て、今夏に古巣復帰。下部組織時代からの宿敵との戦いに「ただの1試合ではない」と強い思いをにじませる。
2015年にトップ昇格。リーグ戦のダービーのピッチには17年に初めて立ち、過去3試合の出場で3得点している。思い出深いのは18年10月のホームでの一戦。2ゴールを決めて5-1の大勝に貢献し、試合後には日本代表に初選出された。「ダービーがきっかけで成長できているイメージはある」と良い印象を抱く。
清水復帰戦となった7月31日の鳥栖との試合で途中出場から得点を挙げたが、以降7試合はネットを揺らせていない。「得点を取ることが自分の仕事。チームを勝たせるゴールを決めたい」。再びダービーを転機に-と気合を入れる。
相手には清水で一緒にプレーしたMF金子とDF松原がいる。ピッチ外でも親しくしていた先輩や同期と「まさかダービーで対戦するとは思わなかった」のが本音だが「選手どうこうよりジュビロに勝ちたい」と私情は挟まず、勝利への欲を前面に押し出す。
チームは8日の前節川崎戦に敗れ、残り3試合でJ2自動降格圏の17位に転落した。「状況を変えるには勝ち点3を取ること。勝つための助けをしたい」。生え抜きの点取り屋がクラブの意地を懸けた戦いで、苦境のチームを救う。(運動部・市川淳一朗)
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⚽磐田 松原「勝ち点3のみ」
今夏ベルギー1部シントトロイデンから加入した磐田のDF松原后(26)=浜松開誠館高出=は揺るぎない決意で古巣清水との静岡ダービーに臨む。「チームを救うために入ってきた。負けたら終わりという気持ちで引き分けではだめ。勝ち点3しかない」。自らの気持ちを高ぶらせる。
鳴り物入りで移籍し7月30日の湘南戦でデビューしたものの、けがや状態不良で出場機会は限られた。9月17日のC大阪戦で約1カ月ぶりにピッチに立ち、終盤に決めれば逆転のシュートを放ったが、惜しくもクロスバーにはじかれた。
清水時代の2017年10月14日にアイスタ日本平で行われたダービーでは、退場となった苦い記憶もある。「なじみのあるサポーターのためにも成長した姿を見せたい」と意気込む。さらに同時期に海外から清水に戻った同学年の北川の名前を挙げ「昔からやってきた相手とお互いにプロのピッチで対戦できるのは感動」と心待ちにする。
主戦場となっている左サイドでは後輩の古川(静岡学園高出)が前節横浜M戦でJ1初ゴールを挙げ成長著しい。古川のゴールをお膳立てした松原は「コンビネーションでチャンスがつくれる。どんどん崩していきたい」と連動した動きで攻撃参加に意欲を示す。
チームが置かれた状況は最下位と残留に向けて厳しい状況だ。「残り3試合は絶対勝たないといけない。ダービーは前半から圧力をかけたい」。闘志を前面に出しながらも、冷静に局面で力を発揮するつもりだ。(運動部・名倉正和)