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日軽金が富士川水系不正取水 国交省発表 水利権を短縮、監視へ

 アルミ加工大手日本軽金属(東京都)が富士川水系に持つ水力発電所の取水量報告に不自然な記載が相次いで見つかった問題で、国土交通省は18日、過去35年間に少なくとも約1億9千万立方メートルに上る不正取水が行われた、と発表した。放流量も過去30年間で少なくとも約170万立方メートル不足していた。更新手続き中の波木井発電所(山梨県身延町)の許可期間を大幅に圧縮し監視を強めるほか、河川法に基づく再発防止策などの報告をするよう同日付で日軽金に行政指導した。

国から水利権許可期間を20年から5年程度に短縮する方針が示された日本軽金属波木井発電所=2021年8月、山梨県身延町(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
国から水利権許可期間を20年から5年程度に短縮する方針が示された日本軽金属波木井発電所=2021年8月、山梨県身延町(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
国から水利権許可期間を20年から5年程度に短縮する方針が示された日本軽金属波木井発電所=2021年8月、山梨県身延町(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 国交省は3、4月の静岡新聞社の報道を受け、取水量について1987~2021年の35年間分を調べるため、五つの水力発電所に立ち入り調査をした。その結果、波木井、富士川第一(山梨県南部町)、富士川第二(静岡市清水区)の各発電所で不正取水が見つかったという。このうち富士川第一では特に多く、2929日間に及び、計約1億6千万立方メートルを記録した。
 水利使用規則に定められた放流量についても富士川第一と富士川第二で不正があった。1992~2021年の30年間分を調査し、富士川第一では放流量の不足は139日間に及び、計88万9千立方メートルとなった。
 本紙が国への情報公開請求で得た資料によると、日軽金が国に毎月報告している1日ごとの平均取水量や放流量には、小数点第2位まで上限値や下限値ちょうどの数字が連日並ぶ不自然な記載があった。1カ月間全ての日が不自然な記録の月もあった。
 同省関東地方整備局の斎藤充則河川環境課長は「『上限設定プログラム』などの組織的不正はなかったが、現場の操作員任せのずさんな管理体制があった」と説明。決められた取水量をオーバーしたり、放流量を下回ったりしても操作員が上限値や下限値そのものを書き込んでいたという。

 ■日軽金「再発防止に努める」
 日軽金の不正取水が明らかになった1億9千万立方メートル。2008年に明らかになり、水利権が取り消されたJR東日本信濃川発電所での不正取水量とほぼ同量だ。
 ただ、日軽金の場合、最後の不正が04年12月で、現在は適正に取水や放流が行われているため、水利権は取り消されなかった。国は07年に大手電力会社以外の発電事業者に対し、過去にさかのぼって取水量記録の改ざんがないか報告を指示した。日軽金は当時、「該当なし」と回答したが、虚偽だった。
 同社は18日の取材に対し「再発防止と適切な管理に努める」などと回答した。

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