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テーマ : 牧之原市

バス置き去り防止どう徹底 牧之原園児死亡 検知機器導入の動きも

 牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」で園児(3)が送迎バス内に置き去りにされ、死亡した事件。昨年7月には福岡県中間市の保育園で同様の事件が発生し、国が安全管理徹底を全国の施設に求めたが、教訓は生かされなかった。人為的ミスは必ず起こるため、専門家は「人の力に頼らない対策」の必要性を訴える。園児の置き去りを防ぐ機器導入を目指す動きもある。

検知センサーのイメージ(三洋貿易提供)
検知センサーのイメージ(三洋貿易提供)


 事件は5日午後2時10分ごろ、バス内で倒れている園児を川崎幼稚園の職員が見つけた。園児はバスが同園に到着した午前8時50分ごろから約5時間にわたり、車内に取り残された可能性が高く、搬送先の病院で死亡が確認された。7日の記者会見で園側が、昨年7月の事件を受け、職員間でミス防止に努めようと認識を共有していながら、結果的に事件を招いてしまったことを明らかにした。
 繰り返される痛ましい事件に、医師で子どもの事故防止に詳しいNPO法人セーフキッズジャパン(東京都)の山中龍宏理事長は「人為的ミスは起こり得るもの。それを前提に対策を立てなければならない」と断言する。
 国内では現在、三洋貿易(同)が車内に取り残された乗員の微細な動きを、天井に設置したミリ波レーダーで検知し、危険を外部に知らせるセンサーについて、来年度中の国内導入を目指している。牧之原市の事件後、自治体や保育施設から20件以上の問い合わせがあるという。
 同市の杉本基久雄市長が、事件の再発防止を徹底するため、市独自の安全管理体制の構築を明言するなど、国や自治体レベルで対策を強化する動きが高まっている。山中理事長は「機器を導入するという保育現場の意識改革に加え、財政的な援助など、行政としてやるべきことは多い」と訴えた。

 

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