規格外野菜をジェラートに 食品ロス削減、収益化へ加工販売 マルヤス青果(静岡)が出店
青果卸売業のマルヤス青果(静岡市葵区、安本文男社長)は、規格外などの理由で廃棄していた野菜や果物の加工販売に力を入れる。ジェラート専門店を7月、同区の浅間通り商店街に開業した。仕入れ全体の約1割に及ぶ規格外食材の活用を進め、収益力を高める。食品ロスを削減し、SDGs(持続可能な開発目標)達成にもつなげる。
店名は「おりじなる・すまいる」。夏場の現在は定番のマンゴーやレモンのほか、カボチャ、大葉のジェラートなど18種類を店頭に並べる。食材は表面に傷が付いていたり、大きさがふぞろいだったりして流通できない野菜や果物だ。
同社が日々仕入れる約10トンの野菜や果物のうち、1トン程度の規格外が発生し、その処分費が収益を圧迫する一因だった。一部はカット野菜に加工してスーパーやホテル、飲食店などに卸していたが、若者を中心に親しまれるジェラートにすることで廃棄量をさらに減らし、経営課題の解決を目指す。
ジェラートは素材の味を生かせるよう、添加物を極力抑えて健康面に配慮。店内に控室を完備し、スタッフが子育てをしながら働ける環境を整えるなど、SDGs関連で食品ロス削減以外の目標項目にも取り組む。
安本美帆店長(33)は「規格外でもおいしさや品質は変わらない。収益力向上とSDGs達成の両方をかなえたい」と意気込む。