イカの吸盤取らなイカ!? 肴屋大ちゃん(伊東市) 短時間で簡単に除去【静岡ものづくり最前線】
通常は包丁で切り取ったり、こそぎ落としたりと手間の掛かるイカの吸盤取り。食材の捨てられる部分を減らし、おいしく食べてもらいたいとの思いのもと、簡単に取り除くことができる画期的な調理器具を生み出した。
商品化したのは、昔からものづくりに慣れ親しんでいるという山本大輔店主(46)。ステンレス製の器具の先端に0・8ミリのスリットを入れ、イカのげその吸盤をスリット部分に滑り込ませて動かすことで、固くて食感が悪い吸盤のリングを除去する。包丁を使った場合に比べ、大幅に時間が短縮できる。
いくつもの試作品を自作して改良を重ね、理想の形状にたどり着いた。2021年7月に特許を取得。富士市の金属加工会社で加工し、一部は職人の手で仕上げる。今春にインターネットで販売を始めた。「大変な作業が楽になった」と喜びの声が寄せられているという。
今後、イカの消費量が多い地域に売り込んでいく考え。山本店主は「同業者をはじめ、処理に大変さを感じている人たちに手に取ってもらいたい」と話す。吸盤取りの裏側は魚のうろこ取りとして使える。飛び散りにくい形状にした。価格は3500円(税込み)。
企業情報 伊東市富戸912の28。2014年創業。