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テーマ : 磐田市

心打つ文字、端末から 磐田の書道家、最新ツールで名刺や表札

 タブレット端末とタッチペンを操り、独自の毛筆書体を手がける若手書道家が磐田市にいる。百鬼(なきり)将太さん(25)。筆と紙をデジタルツールに代えてオリジナルの技法を確立し、表札や名刺に使う字を書く活動に励んでいる。

タブレット端末の画面に文字を書くスタイルで書道家として活動する百鬼将太さん=8月下旬、磐田市内
タブレット端末の画面に文字を書くスタイルで書道家として活動する百鬼将太さん=8月下旬、磐田市内

 百鬼さんは小学生の頃に書道に打ち込んだが、中高ではスポーツに夢中となって離れた。高校卒業後、会社員になり、2020年から書道家の活動も開始した。きっかけは幼少に見た祭りの屋台彫刻。造形美が忘れられず「得意の書道で今までにないものを、形として残したい」という気持ちが芽生えた。
 他人とは異なる書道のスタイルを模索する中、書道アプリの存在を知って19年ごろから使い始めた。墨の飛び散りが表現できる上、何度もやり直しできるため、毛筆らしさと利便性を兼ね備えているという。毎日猛練習して、作品はインスタグラムで無料配布。徐々に活動が浸透して仕事が舞い込むようになり、21年に独立した。
 出身地の磐田で主に地域の人の表札や名刺を手がける活動を続けている理由は、地域を盛り上げたいから。作品を見て感動してくれる人がいることがやりがいと話し、「二度と同じ様に書けない点が書の魅力。最新のツールを組み合わせて心に響く文字を残したい」とペンを振るう。

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