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社説(8月30日)防災週間 訓練はコロナと両立を

 関東大震災にちなんで定められた「防災の日」(9月1日)を挟み、きょうから5日までは防災週間となる。合わせて実施される今年の静岡県総合防災訓練は4日、島田、牧之原、吉田、川根本の2市2町を舞台に開かれる。
 新型コロナウイルス感染症のため、県総合防災訓練は一昨年、昨年と行われなかった。県内各自治体の訓練も同様だろう。地震や気象災害に備えるためには訓練を重ねる必要がある。地元の訓練に参加するだけでなく、水や食料の備蓄や家具の転倒防止、ハザードマップの確認など家庭内の備えを改めて確認し、防災への意識を高めたい。
 今年は新型コロナに備えた行動制限がないとはいえ、流行「第7波」は依然として猛威を振るい、収束に向かう気配は見られない。夏休み明けで学校が再開されることに伴い、再び増加する懸念もある。多数の住民が参加する場合は「3密」(密閉・密集・密接)の回避やマスク着用、手指の消毒などを徹底し、感染対策と訓練との両立を図ってもらいたい。
 訓練では、新型コロナによる空白を埋める形で、地域で進められてきた共助の態勢を確かめてほしい。避難所の場所やルートに加えて、避難誘導の方法や地元の要救助者の所在なども押さえておく必要がある。さらに訓練に合わせ、南海トラフ地震対策として2019年5月から運用が始まった「臨時情報」の周知も進めていきたい。
 臨時情報は、東海沖から九州沖まで延びる南海トラフ沿いの想定震源域内で、巨大地震発生の可能性が高まった場合に気象庁が発表する。マグニチュード(M)6・8以上の地震や異常な地殻変動を観測すると気象庁が専門家による評価検討会を開催。巨大地震との関連性を判断して公表する。
 ところが、新型コロナによって訓練などの機会を通じて周知を図ることができなくなり、住民理解が進んでいない。地震への警戒と社会経済活動の両立を図る臨時情報は、発表される「警戒」や「注意」に応じて住民が取るべき行動は異なってくる。正しく理解していないと混乱が生じる恐れがある。今後は臨時情報を組み込んだ訓練の実施は欠かせないだろう。
 これから台風の列島接近や上陸も本格化してくる。太平洋・南鳥島近海で熱帯低気圧が28日、台風11号に変わった。台風11号は今月末には西日本に影響する恐れがある。海水温の上昇によって日本近海で発生したり、勢力を維持したまま接近したりする台風が今後は増えてきそうだ。気象災害にも十分注意していきたい。

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