⚽乾が決勝弾、移籍後初 清水、京都に競り勝つ J1リーグ

明治安田J1リーグは27日、各地で第27節の5試合が行われ、清水は乾の加入後初ゴールで京都に1-0で競り勝った。5戦負けなし。
②アイスタ(清水1勝1分け)▽観衆14034人
清水 7勝10分け10敗(31) 1(0―0 1―0)0 京都 6勝8分け11敗(26)
▽得点者【清】乾(4)
【評】清水は後半の決勝点を守り抜いて京都に完封勝ちした。
前半は京都のサイド攻撃にゴールを脅かされた。前半21分に左クロスを中央で押し込まれたが、直前のハンドの判定に救われた。29分には右から打開されたが、GK権田がシュートを体で防いだ。
後半23分、縦に速い展開から乾が仕留めて先制に成功した。終盤は京都の反撃を受けたが、自陣ゴール前で体を張って粘り強く対応。最後は5バックに布陣変更して締めた。
■加入後初、目の覚める一撃
7月にチームに加わった元日本代表MFの右足が鮮やかに清水を白星に導いた。乾の加入後初ゴールが決勝点となり、完封勝ち。本拠地は約2カ月ぶりの歓喜に包まれた。
膠着(こうちゃく)状態が続いていた後半23分だった。敵陣ゴール前中央でFWカルリーニョスが出したパスが、左で構えていた乾の前に届く。球の跳ね際に足を合わせると、糸を引くような弾道が枠の右隅を射抜いた。
目の覚めるような一撃に観客が立ち上がり、割れんばかりの拍手が響く。大型スクリーンに流れたリプレー映像で、もう一度どよめきが起こる。一瞬にしてスタジアムの空気を変えた技巧派は「イメージはできていたが、まぐれです」とおどけて相好を崩した。
複数の選手が新型コロナウイルスに感染した影響で、メンバー構成には変化が生じた。足の張りで離脱していたDF原が3試合ぶりに復帰。MFホナウドが13試合ぶりに先発した。全体として連係面でかみ合わない場面もあったが、相手にボールを渡しても自陣ではしぶとく耐えた。
リカルド監督は「相手以上にわれわれの選手が戦ってくれた」とベストメンバーが組めない中での価値ある勝利をたたえる。残留を争うライバル相手に最高の結果を手にし、これで5戦負けなし。それでも乾は「まずは残留できるように」と冷静に足元を見つめた。