コロナでマイホームに変化 感染対策、巣ごもり対応…トイレやキッチン充実 メーカー趣向凝らす
長引く新型コロナウイルス禍で、マイホームの姿が変わりつつある。静岡県内の住宅関連メーカーなどは感染対策の徹底や、キッチンを充実させるなど巣ごもり需要に対応する商品を開発。一生に一度の買い物となるマイホームの設計に趣向を凝らし、安心安全の付加価値を向上させている。
県内に3拠点を置く飯田グループホールディングスの一建設(本社・東京)は感染防止の観点から、建売住宅のほとんどにトイレを2カ所設置する。手洗いやうがいも帰宅直後にできるように、玄関のすぐ近くに洗面台を配置した。
担当者は「ウイルスを家庭内になるべく持ち込まないことや、万が一、家族に感染者が出てしまった場合を考慮した」と話す。
コロナ禍による在宅勤務などによって家族と過ごす時間が増える中、民間調査会社の調べでは、最も負担に感じる家事の1位は「料理」(37・1%)で、2位の「風呂掃除」(14・1%)を大きく上回った。
住宅設備メーカーのトクラス(浜松市西区)はこのような結果に着目し、「家族がそろって料理を楽しむ」をコンセプトにしたシステムキッチン「コラージア」を開発し、9月中旬に発売する。調理スペースを広げることで、家族全員で料理を楽しむことができるようにした。カウンターやシンクには同社が国産では初めて開発した「人造大理石」を使用。熱に強く汚れが付きにくい素材のため、手入れがしやすくなるという。
トクラスの担当者は「キッチンを利用する機会が増える社会的背景を受けて商品開発した。一緒に料理を楽しみたい家族に勧めたい」と語った。