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行政と市民のつなぎ役担う 民間の視点でDX助言 藤枝市デジタル統括監/山田義則氏【本音インタビュー】

 ソフトバンクの社員として藤枝市役所に常駐で勤務し、市のデジタル事業の総合的な指南や職員に助言する役割を担う。着任から約1年半の勤務で感じた手応えや課題、今後の方向性を聞いた。

山田義則氏
山田義則氏

 -これまでの取り組み内容は。
 「藤枝市の方針を明確にする『市DX(デジタルトランスフォーメーション)推進ビジョン』の策定に関わった。市民サービス向上、まちづくりへの活用、市役所システム構築の3領域で進める。全ての領域で共通するデジタルディバイド(情報格差)解消やセキュリティー対策、人材育成にも力を入れていく。デジタル技術は日進月歩なので、具体的な方向性について都度検討していく必要がある」
 -意識していることは。
 「外部から来た人材として民間らしい視点からの提案や、行政と市民のつなぎ役になることが大切と考える。その上で『分かりやすいデジタル化』を大きなテーマにしている。現在約800の行政手続きのうち、550ほどのオンライン化を進めている。その進捗状[しんちょく]況を公開して市民に示すことで、関心を持ってもらえるようにするつもりだ」
 -課題は。
 「行政は特に手堅い仕事を求められることから、ソフトバンクとは業務の進め方が正反対と感じる。庁内での対面のやりとりが多いが、メールを可能な範囲で活用することなどにより、もっと省力化を図れるはず。デジタル化は難しい話と思われがちだが、あらゆる事業や施策を実現するための一つの手段に過ぎない。導入するポイントや活用法の部分でアドバイスできれば。デジタルに関する職員の思考能力を高め、少しずつ庁内全体に広がる形が望ましい」
 -今後の抱負を。
 「現場に出て高齢者と語る機会も多いが、デジタル機器については使い方の段階でつまずいているケースが多い。例えばLINE(ライン)で家族とのやりとりはできるが、友達を追加することはできないなど。操作方法の解説など、個々の事情に合った対応が必要になるだろう。庁内ではソフトバンクのノウハウを活用し、各課の全業務フローを洗い出して最適化を図る作業を進めたい。浮いた時間で新たなサービス展開や、部署間の連携強化につなげられたら」

 やまだ・よしのり 1991年日本テレコム入社。2005年からソフトバンクで勤務。ともに法人向け営業部門に従事した。21年4月に藤枝市デジタル統括監に着任した。

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