運動機能回復にVRゲーム活用 焼津・甲賀病院、楽しくリハビリ

 焼津市の甲賀病院はVR(仮想現実)空間で運動機能のリハビリができる最新鋭の機器を本格導入した。脳出血や骨折、障害などで体を動かすことが困難になった利用者が空間上で簡単なゲームを楽しみながら、歩行に必要な機能を取り戻していく。同病院によると、東海地区で初導入という。これまでに30人ほどが利用し、手の震えが収まったり、歩行速度が戻ったりと効果が出始めている。

VRの医療機器でリハビリを行う利用者=8月上旬、焼津市の甲賀病院
VRの医療機器でリハビリを行う利用者=8月上旬、焼津市の甲賀病院

 機器はmediVR社(大阪府)が開発した「神楽」。試験的な導入を経て、7月末から本格的に取り入れている。
 利用者は専用のゴーグルを装着しVR空間に入ると、目の前に現れる的や上から落ちてくる果物を、両手のリモコンを使って、触ったり受け止めたりする。的や果物の大きさや出現する距離、速度は調整が可能。小さかったり、遠かったり、速かったりする対象物を触る動作を繰り返すことで、考えながら体を動かす能力を取り戻していくという。
 2年前に脳出血になった女性(75)は6月から週2回ペースで、この機器を使ってリハビリに励んでいる。当初は遠くにあるものをつかむといった運動が手の震えでできなかったが、今では難なくこなせるようになった。歩くスピードも徐々に回復している。
 今月4日に登院した女性は、この機器でリハビリを実施。理学療法士松下貢汰さんの指導の下、右に左に体を動かしながら、20分間にわたりゲームに挑戦した。リハビリ当初は対象物を触りたくても行動に移せなくて悔しい日々が続いたが、やがて達成できるようになると楽しくなった。「リハビリを終えて、自宅に帰るとスムーズに歩けるようになった」と効果に喜ぶ。
 松下さんは「全ての人に効果が出るわけではないが、歩行障害のみならずあらゆる運動機能の回復に役立つ可能性がある」と語る。

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