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テーマ : 静岡市

静岡市の燕沢盛り土「不適」 川勝知事がリニア工事残土置き場予定地視察

 川勝平太知事は8日、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関連して大井川上流域の東京電力田代ダムや残土置き場予定地を視察した。最も規模が大きい残土置き場が計画されている静岡市葵区の燕(つばくろ)沢について、川勝知事は「(地盤の)深層崩壊の可能性がある場所で不適だ」との考えを示した。

残土置き場予定地の燕沢でJR東海の担当者(左端)から説明を受ける川勝平太知事(右)=8日午後、静岡市葵区(写真部・小糸恵介)
残土置き場予定地の燕沢でJR東海の担当者(左端)から説明を受ける川勝平太知事(右)=8日午後、静岡市葵区(写真部・小糸恵介)

 川勝知事は燕沢でJR東海の担当者から、残土を約65メートル積み上げる盛り土構造について説明を受けた後、「過去に何度も土砂崩れを起こした地質学的知見があり、盛り土する場所としてふさわしくない」と述べ、計画の変更を求めた。JR東海は静岡工区のトンネル工事で約370万立方メートルの残土発生を見込み、このうち360万立方メートルを燕沢近くの川沿いに積み上げる計画を示している。
 自然由来の重金属を含み、汚染対策が必要となる「要対策土」を燕沢より下流の藤島沢に置く計画については、川勝知事は要対策土の盛り土を原則禁止する県盛り土規制条例が施行されたことに触れ、「なかなか厳しい」と強調した。その上で「新しい事態に即した対策を(県の有識者会議で)議論してほしい」と求めた。
 視察に同行した同社の宇野護副社長は「現段階で藤島沢(残土置き場)の撤回は考えていない」とし、「懸念は十分承知している。事業者としてできることはやっていく」と述べた。
 川勝知事は、同社がトンネル湧水の県外流出対策として提案している田代ダム取水抑制案については、実現に向けて関係者と調整するよう求めた。工事車両の通行ルートとして新設予定の県道南アルプス公園線のトンネルを巡っては、静岡市が残土の処分場3カ所を選定したと明らかにした上で、処分場決定の遅れが工事の進ちょくに影響していると批判した。

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