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テーマ : 経済しずおか

キクラゲ栽培 遠隔監視で効率化 静岡ラボ(湖西)収量・質向上

 菌茸類のキクラゲを生産、販売する静岡ラボ(湖西市)が栽培施設内に遠隔監視システムを導入し、事業効率化と生産拡大の両面で成果を挙げている。キクラゲは国内流通の9割超を中国など海外に依存するため、同社は「より多くの消費者に国産キクラゲを届けたい」と展望する。

キクラゲの生産安定化につなげた遠隔監視システム=湖西市の静岡ラボ
キクラゲの生産安定化につなげた遠隔監視システム=湖西市の静岡ラボ

 同社によると、キクラゲの生育最適温度は22~23度で、シイタケやエノキなど一般的な菌茸類(15~18度)よりも高い。同社は保温・保湿性の高い鉄筋コンクリート造りの建屋内に菌床を置き、蒸気を発生させて栽培している。
 キクラゲ生産は温度と湿度の管理が最も重要だが、従来は機器トラブルなどが生じても外部から状況が分からず、品質が低下したこともあったという。
 2019年夏に遠隔監視システムを導入し、温度や湿度、二酸化炭素(CO2)濃度をスマートフォンなどの情報端末で確認できるようにした。異常を即座に察知することで生育を安定させ、1カ月当たり最大1・5トンの不良品をなくし、収穫量を前年比で約25%増やした。
 同社は14年、当時珍しかった国産キクラゲに着目し、動物飼育関連事業から業態転換した。システムの改良や栽培施設の増設などを進め、5年後の生産量を21年実績の4倍まで拡大させる目標を掲げる。木村祐輔取締役(30)は「顧客のスーパーやホテルなどから、以前より肉厚でおいしくなったと評価をいただいた。将来的に温度や湿度の遠隔制御など、省力化を一層進めたい」と話す。

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