⚽清水猛攻 2点差追い付く J1リーグ第23節
明治安田J1リーグは31日、第23節の残り1試合が行われ、清水が鳥栖と3-3で引き分けた。終盤に1-3とされたが、ラピッド・ウィーン(オーストリア)から復帰した北川らのゴールで追い付いた。清水は勝ち点21で神戸と並んだが、得失点差で最下位。9位の鳥栖は同29。
②アイスタ(2分け)▽観衆11823人
清水 4勝9分け10敗(21) 3(0―2 3―1)3 鳥栖 6勝11分け5敗(29)
▽得点者【清】白崎(2)北川(1)チアゴサンタナ(8)【鳥】岩崎(2)長沼(1)堀米(3)
【評】清水は2点差を追い付き、鳥栖と引き分けた。
前半4分に最終ラインの背後を突かれて蹴り込まれ、先制点を献上。出ばなをくじかれると、30分にも自陣でのミスから加点された。
反撃へ攻勢に出ると、後半17分に山原の突破からクロスを白崎が流し込んで1点差。35分に鳥栖にミドルシュートを浴びてリードを広げられたが、直後に北川、38分にチアゴサンタナが決めて同点とした。
■北川が復帰弾 反撃の口火
後半35分に鳥栖の鮮やかなミドルシュートが突き刺さり2点差となった段階で、清水の敗色は濃厚に見えた。しかし、反発心を示したイレブンは3分間で追い付いた。口火を切ったのは、清水復帰戦となったFW北川だ。
3年ぶりにJリーグと本拠地に戻ってきた北川は、後半18分にピッチに送り出された。海外でもまれた貴重な経験を携えた点取り屋は2トップの一角に入り、早速FWカルリーニョスの決定機につながるパスを届けた。
そして後半36分、FWチアゴサンタナの抜け出しに並走し、パスを受けてネットに流し込んだ。「得点できそうなところを自分で探せた」。2019年7月以来の清水でのゴールが生まれると、2分後には相棒のサンタナに同点弾が生まれた。
今節への準備期間で選手8人が新型コロナウイルスに感染し、非常事態の中で迎えた一戦。GK大久保が今季リーグ初出場、DF井林がリーグ19試合ぶり先発と、前節から7人が入れ替わった。顔ぶれが変わる中で「苦しさは予想以上だった」とリカルド監督が振り返る前半の低調さを、後半で挽回した。
終了間際の猛攻は実らず、2得点をお膳立てしたDF山原は「勝ちきらないといけない」と唇をかむ。勝ち点1を加えたが、今節で最下位に転落。厳しい状況は変わらない。北川は「残り11試合、決勝戦と思って戦う」と口元を引き締めた。
■乾ら新戦力 チーム活性化
今夏に補強した元日本代表MF乾、ブラジル人MFヤゴピカチュウの新戦力2人が清水でのデビューを果たした。乾は後半18分からピッチに立ち、中盤の左サイドに入った。定評のある柔らかなボールタッチやドリブルを随所に見せ、観客を沸かせた。終了間際にはDF片山の右クロスを中央で受けたがシュートを打てず、「決めきれるような仕事をしないと」と悔やんだ。
ヤゴピカチュウは中盤の右サイドで先発出場した。前半4分にFWチアゴサンタナのパスを受けて強烈なシュートを放ったが、枠の外。味方との呼吸が合わない場面もまだあり、後半に退いた。