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頼朝弔い「政子が頭髪で刺しゅう」 熱海・伊豆山郷土資料館「法華曼荼羅」を限定公開 8月30日まで

 熱海市教育委員会は28日から8月30日までの期間限定で、同市の伊豆山神社所蔵の「法華曼荼羅(ほっけまんだら)=伝北条政子頭髪曼荼羅=」を同神社本殿隣の伊豆山郷土資料館で公開する。北条政子が夫の源頼朝の菩提(ぼだい)を弔うために自らの髪で刺しゅうしたと伝わる貴重な史料。市教委は公開を通じて、発生から1年が経過した大規模土石流の犠牲者を慰霊するとともに「被災地の復旧復興のきっかけになるように」との願いを込めている。

北条政子の髪で刺しゅうしたとされる梵字
北条政子の髪で刺しゅうしたとされる梵字
期間限定で公開される伝北条政子頭髪曼荼羅=伊豆山神社社務所
期間限定で公開される伝北条政子頭髪曼荼羅=伊豆山神社社務所
北条政子の髪で刺しゅうしたとされる梵字
期間限定で公開される伝北条政子頭髪曼荼羅=伊豆山神社社務所

 曼荼羅は縦54・5センチ、横38・5センチ。政子の髪で刺しゅうされたとされる46字の梵字(ぼんじ)が記されている。鎌倉幕府の歴史書「吾妻鏡」によると、頼朝の一周忌にあたる1200年に政子が自髪で縫った掛け軸を奉納したとされる。
 資料館ではこれまで、曼荼羅の複製を展示していた。実物は2019~21年に修復作業を行っていたが、21年7月の土石流発生を受け、公開を見合わせていた。伊豆山神社の原嘉孝宮司は「当時の女性にとって、命と同じぐらい大切な髪を切って曼荼羅を作った政子の強い思いが表れている。伊豆山の繁栄と復旧復興に力を与えてほしい」と語った。
 資料館は水曜休館。開館は午前9時~午後4時。問い合わせは同館<電0557(80)4252>へ。

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