地引き網 力いっぱい 保存会が試し引き 掛川・千浜
掛川市千浜地区に伝わる地引き網を継承するため2022年春に発足した福住丸保存会はこのほど、地引き網体験の観光事業化に向けた試し引きを地元の砂浜で実施した。保存会や地元観光協会の会員ら約80人が参加した。砂浜から出航した福住丸が網を仕掛け、参加者が力いっぱい引き上げた。水揚げは約50キロのアジやサヨリなど。参加者は獲物を分け合い、地元の海の魅力を満喫した。
福住丸は地区唯一の地引き網船。海岸浸食や担い手の高齢化を受けて、16年を最後に事業を停止していた。保存会は23年度の再事業化を目指して準備を進める。水島成幸会長(79)は「復活は感無量。コロナ禍で先行きが不透明だが、何とか軌道に乗せたい」と話した。