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テーマ : 藤枝市

静岡の食応援12年 県産食材発信へ本出版 ふじのくに「旬の会」

 生産者と料理人、消費者をつなぎ、本県食材の魅力を広める「ふじのくにの旬を食べ尽くす会(旬の会)」が、県内外での食事会や生産者訪問を通じ賛同者を増やしている。“静岡食の応援団”としての活動は12年目を迎え、5月には生産農家や酒蔵、飲食店を紹介する本も出版した。総括責任者で元県職員の岩沢敏幸さん(62)は「食の豊かさを再認識してもらい、静岡を盛り上げたい」と意欲を示す。

静岡の食を支える生産者や飲食店を紹介する本を手に、県産食材の魅力を参加者と語り合う岩沢敏幸さん(右)=7月上旬、静岡市葵区の「狸の穴」
静岡の食を支える生産者や飲食店を紹介する本を手に、県産食材の魅力を参加者と語り合う岩沢敏幸さん(右)=7月上旬、静岡市葵区の「狸の穴」

 発足は県が「食の都づくり」の取り組みを開始した2010年。「食を推進する職員が『安かろう、まずかろう』の店で食事していてはいけない」。岩沢さんの当時の上司による一言がきっかけだった。同僚らと共に県産食材を扱う店での勉強会をスタート。行政の枠にとらわれず、民間や学生にも呼びかけ活動の幅を広げてきた。
 県内各地で毎月開く食事会が活動の中心。生産者が訪れ、料理人や消費者と直接触れ合うことも多い。地元食材に合う酒造りを目指す志太泉酒造(藤枝市)の望月雄二郎社長(54)は「静岡のおいしいものを楽しむ会。理想的な場を提供してもらっている」と語る。
 生産農家や加工業者を訪ねる体験会なども頻繁に行い、イベントは累計500回以上、参加人数は延べ1万3千人を超えた。経済的に余裕がない学生も集まれるように、参加者が彼らの食事代を寄付する「未来のくいしんぼう基金」と題した制度も取り入れる。
 食事会は東京都内でも隔月で開き、愛知や沖縄などでの開催も模索する。岩沢さんは「静岡の食を目指し、県外や海外から集まってもらえるようにしたい」と県外への発信にも力を入れる。
 出版した「eat FUJI」は、12年間の活動で知り合った静岡の食を支える約130の生産者や店を紹介。県産食材の魅力を語るインタビューも掲載する。

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