浜松医科大が教育センター開設 医療／工学／情報技術 融合推進へ
浜松医科大（浜松市東区）は本年度、学内に「次世代創造医工情報教育センター」を開設した。工学部、情報学部を擁する静岡大浜松キャンパス（同市中区）との連携を強め、データや人工知能（ＡＩ）を活用した医療分野の新技術・機器開発、アントレプレナーシップ（起業家精神）に富んだ学生や若手研究者の育成を目指す。
センターには浜医大の若手臨床医２人を配置した。静大情報学部教員らの協力を受け、学生の指導と医療機器やアプリなどに関する独創的なアイデアの研究、開発に取り組む。学生らがアイデアを競うピッチイベントなどを通じ、学生や病院発のベンチャー創出にもつなげる。
両大は２０１８年にレーザーやセンサーなどの光技術と医療の両分野に精通した人材の育成を図る共同大学院「光医工学共同専攻」を設置するなど、連携を深めてきた。センター開設は両大が１９年に合意した運営法人統合・大学再編を見据え、「医工情」に領域を広げて分野横断的な研究を一層促進する狙いもある。
浜医大は２４年度をめどに、地域の大学、企業との共同研究を円滑に進める目的で同大の産学連携部門を外部化した「産学官連携実施法人」を立ち上げる予定。実現すれば、全国の大学で初の取り組みになるという。運営は他大学や企業、浜松市にも参画を求め、研究だけでなく、競争的資金の獲得支援や知的財産の管理なども担う。
浜医大の今野弘之学長は「両大学に加え、自治体や企業などと積極的に連携し、浜松の新しい産業をつくり出すまで進展させていきたい」と強調する。
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