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テーマ : 浜松市

茂木、二階派 若林氏獲得へ思惑 参院選下、勝利確実視も両会長来静

 自民党派閥の茂木派と二階派が、10日に投開票が行われた参院選静岡選挙区で初当選した自民党新人若林洋平氏(50)を自派閥に引き入れようと、主導権争いを繰り広げている。選挙戦では派閥領袖の茂木敏充、二階俊博の現元幹事長が相次いで県内入りし、さや当てを演じた。若林氏は同日、所属先について「気持ちはあるが、今日は控える」と述べるにとどめた。

若林洋平氏(左)の選挙応援に駆け付けた自民党の茂木敏充幹事長(右)=6月23日午後、浜松市北区
若林洋平氏(左)の選挙応援に駆け付けた自民党の茂木敏充幹事長(右)=6月23日午後、浜松市北区
若林洋平氏の支援を訴える自民党の二階俊博元幹事長=6月18日午後、沼津市
若林洋平氏の支援を訴える自民党の二階俊博元幹事長=6月18日午後、沼津市
若林洋平氏(左)の選挙応援に駆け付けた自民党の茂木敏充幹事長(右)=6月23日午後、浜松市北区
若林洋平氏の支援を訴える自民党の二階俊博元幹事長=6月18日午後、沼津市

 「若林氏が地元の陳情を担いで来たら(二階派の)約50人束ねて連れて行きますよ。大概の大臣でも局長でも抗しきれないでしょう」。参院選公示前の6月18日に開かれた東部地区の決起大会。二階氏が地元首長や党員約250人に向け、独特の言い回しで支援を訴えた。二階派入りを前提とした言いぶりで、幹事長在職日数で歴代最長を記録した権力者としての健在ぶりを誇示した。
 二階氏の後を追うように、茂木氏は公示翌日の23日に県内入り。「静岡は最重点区。党として取り組みを強化していく」。本県の重要性をアピールした形だが、勝利が確実視される選挙区に入るのは異例。自民関係者は「二階派の動きを見て慌てて入った」と見た。
 若林氏の所属先を巡る問題は、昨年の知事選にさかのぼる。茂木派(当時竹下派)所属の参院議員が出馬の意向を示したことに、派閥の重鎮が激怒。後継の茂木派入りを念頭に事態の沈静化が図られた経緯がある。昨年の補欠選挙では、茂木派が若林氏を全面支援した。
 一方、若林氏が地盤とする県東部は故・遠藤三郎元建設相の地元で、その秘書を務めていた二階氏とはその当時からの縁がある。地元国会議員2人が二階派所属で、二階氏と長年親交がある地元県議もいる。党の実力者とのつながりを強化したい地元の思惑も透けて見える。
 二階派議員は「強引にでもスカウトするよ」と形勢逆転を狙い、茂木派議員は「あり得ない」と茂木派入りは既定路線だとくぎを刺す。他派閥のある議員は「そこには首を突っ込まない」と騒動から距離を置く姿勢を示した。
 (東京支社・岡田拓也)

 自民党の派閥 1955年の結党時から存在し、政治信条や政策の考え方が近い議員が形成する集団。選挙互助会の側面もあり、所属議員はヒト、金の両面で領袖(りょうしゅう)や先輩議員から支援を受ける。「数は力」と呼ばれる政界で、派閥の勢力は党役員や閣僚の人事に大きな影響を与えるため、新人候補の獲得競争は熱を帯びる。現在は6派閥が存在。勢力は安倍派、茂木派、麻生派、岸田派、二階派、森山派の順。

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