⚽清水エスパルス 今季初の完封勝利 J1第21節

明治安田J1リーグは10日、7試合が行われ、清水は名古屋を2―0で破って最下位を脱した。
②豊田(1勝1敗)▽観衆12904人
清水 4勝8分け9敗(20) 2(1―0 1―0)0 名古屋 6勝7分け8敗(25)
▽得点者【清】西沢(2)チアゴサンタナ(7)
【評】清水は名古屋に完封勝ちした。
開始直後から名古屋にポスト直撃のシュートを許すなど、不安定な立ち上がり。しかしボールを保持して試合を進め、前半38分に西沢が決めて先制した。
後半2分、西沢の決定機はポストに阻まれた。前からの圧力を強めた名古屋に、27分には再びポスト直撃のシュートを打たれた。しかし、43分に相手選手が一発退場となり、数的有利に。終了間際にチアゴサンタナの追加点で勝負を決めた。
■西沢「上がるしかない」
前節に苦渋を味わった試合終了間際にFWチアゴサンタナの追加点が決まると、勝利を確信した清水ベンチに歓喜の輪ができた。連敗を2で止める4戦ぶりの白星で、最下位から脱出した。
3試合ぶりの先制点で優位に立った。前半38分、左サイド深くに進入したFWカルリーニョスから中央にパスが通る。ペナルティーエリア手前で待ち構えたMF西沢がダイレクトでゴール右隅に流し込んだ。「落ち着いてコースも狙えた」。手応え十分の自身今季2ゴール目が決まった。
後半は名古屋に押される時間が続いた。リカルド監督は後半32分にセンターバックのDF井林を投入。「4バックで苦しんでいた」と最終ラインを5人にする布陣に変えた。指揮官の思い切った采配に、選手は献身的な守備で応えて今季初の完封勝利を呼び込んだ。
失点が目立つ鬼門の試合の締めくくりでは冷静さも光った。後半43分に名古屋に退場者が出て、数的有利の状況。むやみに蹴り出さず、最終ラインからパスをつないでチアゴサンタナのゴールが生まれた。DF原は「しっかり判断してプレーできた。成長が見せられた」とうなずく。
最下位に転落した前節から1試合で浮上。依然としてJ2降格圏の17位だが、残留圏の15位との勝ち点差は1に縮まった。「ここから上がっていくしかない」。西沢の言葉に力がこもった。
(市川淳一朗)