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多胎家庭に子育てアドバイス 浜松の団体作成、15市町で配布

 双子や三つ子の親でつくる子育て支援団体「しずおか多胎ネット」(浜松市、高山ゆき子代表)が作成し、寝かしつけや授乳、入浴など育児の場面ごとの対応を紹介する冊子「ふたご・みつご子育てブック」(A5判、36ページ)が本年度、静岡県内15市町で無料配布されている。浜松で2年前に配布が始まり、同団体が県内全市町に協力を呼び掛けた結果、14市町が賛同した。母子健康手帳交付時に市町の窓口で手渡される。

多胎育児のアドバイスをまとめた冊子を紹介する「しずおか多胎ネット」のメンバー=4月下旬、浜松市内
多胎育児のアドバイスをまとめた冊子を紹介する「しずおか多胎ネット」のメンバー=4月下旬、浜松市内

 「子どもが一度にぐずるとつらいので、寝かしつける時間をずらした」「目の届くところで遊ばせながら、1人ずつ入浴させた」。同団体のメンバーが多胎児ならではの子育ての難しさや、工夫した体験談を聞き取り、具体的なアドバイスとしてまとめた。各市町の育児サポート事業も掲載している。
 日本多胎支援協会によると、多胎児の出産は全体の約1%とされる。浜松市で配布が始まった2020年3月以降、同団体に市外の多胎児の親からも育児相談が寄せられる機会が多かったため、配布地域の拡充に向け、動き始めた。
 県内全市町に冊子を希望するかアンケートを行い、磐田、掛川、長泉など14市町で配布が決まった。地域によって子育てサークルの活動状況に差があり、配布地域の拡大は育児の情報格差を補う意味もある。
 多胎児の出産が年間1組あるかないかという下田市は「親同士の交流機会が少ないからこそ情報が必要。身近な体験談は貴重で、心強いはず」(市民保健課)と配布の意義を説明する。
 高山代表(47)は「多胎児の親は喜びの半面、育児に不安もあると思う。コロナ禍で、親同士の対面交流がはばかられる状況が続いているが、妊娠段階からの切れ目のない支援に冊子を役立ててほしい」と思いを語る。

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