川端作品をより身近に 没後50年、河津の図書館に特集コーナー
河津町笹原の町立文化の家図書館は、川端康成(1899~1972年)の没後50年の特集コーナーを設けている。河津は代表作「伊豆の踊子」の舞台の一つ。担当者は50年の節目に、伊豆に縁深い川端作品に触れるきっかけにしたいと来館を呼び掛けている。
館内の一角にブースを設け、「踊子」や人物伝など関連書籍のほか、川端の略歴をまとめたパネルも設置した。名作のせりふを抜粋したパネルも展示し、町民らに多角的にノーベル賞作家に触れてもらう狙い。
同館は「踊子」の読書感想文コンクールが2017年から始まったのに伴い、約60冊が並ぶ「伊豆の踊子コーナー」を設置している。没後50年企画は29日までだが、関連書籍は引き続き貸し出しする。月曜休館。
町教委担当者の鈴木めぐみさん(31)は「地元が誇る作品を若い人たちにもぜひ読んでもらいたい」と語る。
同町湯ケ野の旅館「福田家」は作中で「踊子」の主人公が滞在。近くには「踊子」の一節が刻まれた川端自筆の文学碑も建立している。「踊子」は川端が定宿とした伊豆市湯ケ島の「湯本館」で執筆された。