富士高ナイン⚾園児と交流 稲木監督、野球人口拡大に力
富士市の富士高野球部が13日、野球の楽しみを伝える初の「野球交流会」を同市のなかじま保育園で開催した。三島南高で同様の活動を続けて2021年春の選抜出場を果たし、本年度富士高に赴任した稲木恵介監督と部員が、野球人口拡大を目指した取り組みとして継続を図る。
選手やマネジャー計29人が園庭で年長園児28人を迎えた。部員がキャッチボールや全力での捕球を披露した後、部員と園児がグループ別で投手や打者を体験した。
投球姿勢を伝えるため、部員は「ボールを頭の上に乗せて」と呼び掛け、園児は頭の位置からボールを的に向かって投げた。手製のひも付きテニスボールでティーバッティングも行った。園児が球を捉えて遠くに飛ぶと、園児の目線の高さに合わせてかがんだ部員がハイタッチをして気分を盛り上げた。園児は「お兄ちゃんたちが格好良くて楽しかった」と喜んだ。
部員は、事前に野球人口減少の実情や園児との接し方を学び、マネジャーらが道具の準備を進めてきた。
奥山楓騎副主将は「教える経験は初めて。難しかったが園児が喜んでくれてうれしかった。野球の魅力を伝え、仲間を増やしたい」と述べた。稲木監督は「地域のリーダーを輩出する富士高生が野球人口減少を真剣に考えることが大切。小さな子と接することで人間の深みや思考力が育まれ、練習にも生かされるはず」と話した。