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テーマ : 東伊豆町

旅館にふるさと納税自販機 東伊豆町 返礼品はキンメダイや宿泊券

 観光客の皆さん、温泉に漬かった後はふるさと納税を活用して再訪を-。東伊豆町は10日、「ふるさと納税自販機」をお披露目した。宿泊施設に設けられた自販機でクレジットカード決済すれば、ふるさと納税制度の寄付金として扱われ、すぐに特産品や宿泊券などと交換できる仕組み。町はタブレット端末も活用して他施設でも同様の取り組みを実施する意向で、複数箇所で多面的に“現地寄付”を推進するのは全国でも初という。

ホテル内に設置されたふるさと納税自販機。町観光協会と町商工会の提案がきっかけ=東伊豆町の稲取銀水荘
ホテル内に設置されたふるさと納税自販機。町観光協会と町商工会の提案がきっかけ=東伊豆町の稲取銀水荘

 「キンメダイの塩焼き」「露天風呂付き客室ペア宿泊券」-。同町稲取の稲取銀水荘に設けられた自販機には、温泉地を代表する返礼品の数々がタッチパネルに表示されている。同日関係者が集まり、神奈川県のソフトウエア開発「グローキーアップ」の協力で設置した自販機の状況を確認した。レシートをフロントや売店に持参すれば返礼品と交換できる。
 「実際に町に訪れ、自然や文化に感動してもらった上で寄付につなげる、いわば“共感応援型”の仕組みだ」とは、岩井茂樹町長。銀水荘を手始めに、他の旅館約30カ所や観光施設にもタブレット端末やQRコードを随時設け、観光客が同制度を気軽に活用できる体制を整える。
 町やグローキーアップによると、同様の自販機は全国で既に15台ほどあり、藤枝市や御殿場市にも単体で設置されているが、ゴルフ場が多いという。
 町総務課担当者の横山潤さん(27)は「町外から訪れてもらえるようなまちづくりを進めることが、ひいては寄付の増加にもつながる」と見据える。

 ■入湯客 復調の兆し 町内周遊に期待
 東伊豆町によると、2021年度の町へのふるさと納税制度による寄付金は約2億4000万円。前年度比で51%増加した。宿泊券が返礼品として人気で、町は掲載サイトが増えたことなどを要因とみる。自販機の導入でさらに寄付金増につなげたい考えだ。
 一方、町観光協会によると、21年3月~22年2月の観光入湯客数は約44万人。前年比5%増と復調の兆しを見せたが、コロナ禍前の前々年比では59%にとどまっている。同町のホテル銀水荘の加藤晃太社長(40)は「コロナ禍で旅館ごとの取り組みには限界がある。返礼品による再訪が増えれば、観光客の町内周遊の促進に直結する」と寄付金増にとどまらない経済効果に期待を寄せる。

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