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テーマ : 政治しずおか

ヴァンジ美術館 県へ譲渡の課題指摘 外部検討会報告書

 静岡県は31日、新型コロナウイルス禍で経営難に陥り、県への無償譲渡を要望しているヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)について、外部有識者による対応検討会の報告書を公表した。同館を「県内有数の文化・観光拠点」として「譲渡を受け入れる価値がある」と評価した一方、譲渡の前提として解決すべき課題に、新たな活用コンセプトの明確化、地元市町の負担検討、彫刻作品などの賃貸借関係解消-の3点を挙げた。

静岡県庁
静岡県庁

 報告書が示した課題のうち、活用コンセプトは彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジ氏の作品に特化した施設ではなく「庭園や建物を活用したアートセンター的な施設」などを提案した。展示作品の多くを近接するベルナール・ビュフェ美術館などから賃借している点も指摘し「資産整理が不十分。将来的な財政負担にならないよう賃借関係解消を譲渡の前提とすべき」とした。
 今後の施設活用の可能性として、県立美術館の分館や障害者芸術の拠点、迎賓機能を備えた文化・観光施設などの案も盛り込んだ。
 同館は長泉町の複合文化施設クレマチスの丘にあり、2021年に同館と長泉、沼津、三島、裾野、清水の3市2町が存続の支援を川勝平太知事に要望したことなどを受け、県が対応検討会を設置した。文化政策課は「報告を基に譲渡を受けるかどうかを含め、今後検討していく」としている。

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