女子相撲伝統の地に新星 焼津中3年の平口 国際選抜堺大会V
女子相撲で多くの好選手を輩出してきた伝統の地、焼津にまた楽しみな新星が現れた。国際選抜堺大会(4月10日、大阪)の超軽量級(50キロ未満)で優勝した焼津中3年、15歳の平口幸芽(こうめ)。決勝では幼少時から指導を受ける松浦みな美(31)=焼津大井川西小教=との同門対決を制し、県相撲連盟の下村勝彦会長=焼津市=は「相撲で言う『恩を返した』ということ」と目を細める。
平口は小学2年で「やいづ少年相撲クラブ」に入門。研究熱心で、めきめきと上達した。身長は150センチと小柄ながら「相手を土俵に付ければ勝ちという駆け引きが相撲の魅力」と、高い運動能力を生かしたスピードと多彩な技を磨いてきた。
特に体格が同じ松浦は「小柄ならではの取り口を教わってきた憧れの存在」。決勝は豪快な左上手投げを決めて勝ち名乗りを受け、「同じ土俵で胸を借りてきたみな美さんに勝ち、ぐっとこみ上げるものがあった」という。全国大会上位の常連だった松浦も平口の素質を高く評価し「今では一般を含めても全国トップレベル。最大のライバルで、幸芽に負けるのなら納得」と実力を認める。
焼津は1990年代から、アマチュア相撲の国際化を目指す日本相撲連盟に協力し、女子相撲のデモンストレーションに選手を派遣するなど競技発展の一翼を担ってきた歴史がある。松浦は「女子なら焼津と言われるように頑張ってきた。下の世代が続いてくれている」と後輩の成長を頼もしそうに見つめる。