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下田「海の家」GWも 吉佐美大浜、地元の若者が開業

 下田市の吉佐美大浜海岸で海水浴シーズンに合わせて営業される海の家が、4~5月の大型連休期間中に限定オープンする。新たな試みに挑むのは、海岸近くでコーヒーや食品の販売を手掛ける板橋隼平さん(27)ら地元の若者たち。海の家を運営する地域住民の高齢化や海水浴客の減少が課題となる中「伊豆地域のモデルケースになってほしい」と地域からは期待の声が上がる。

開店準備を進める板橋隼平さん(右)と土屋のあさん。「オンザビーチ」による海の家限定の自家製パン(手前)も販売予定=27日、下田市吉佐美
開店準備を進める板橋隼平さん(右)と土屋のあさん。「オンザビーチ」による海の家限定の自家製パン(手前)も販売予定=27日、下田市吉佐美
下田市の海水浴客数の推移
下田市の海水浴客数の推移
開店準備を進める板橋隼平さん(右)と土屋のあさん。「オンザビーチ」による海の家限定の自家製パン(手前)も販売予定=27日、下田市吉佐美
下田市の海水浴客数の推移

 開店を間近に控えた27日、海岸にほど近い海の家では板橋さんと土屋のあさん(23)が営業準備に追われていた。板橋さんの店で人気のコーヒーやジェラート、土屋さんが働くカフェレストラン「オンザビーチ」のプレートランチなどを提供する予定という。
 海水浴シーズンにはまだ早いものの、海岸には波を楽しむサーファーの姿も。板橋さんは「年間を通じたサービスの提供を求める声も多い。地元の若者として、美しいこの海を多くの人に知ってもらいたい」と見据える。
 自治会として海の家を運営する吉佐美区によると、施設は約50年前に設置。伊豆急行開業などを追い風に海水浴客が急増し、ピーク時は人で埋め尽くされるほど盛況だった。現在は70代~80代を中心におよそ40人体制で夏季に40日程度、駐車場整理や遊具の貸し出しなどと併せて営む。
 「海は下田の象徴。1年間を通じた海の魅力発信を模索したい」と言葉に力を込めるのは、元下田市長で現在は吉佐美区長の楠山俊介さん(67)。数年前から地域の活性化について議論してきた。他県の海岸を引き合いに「自然環境は負けていない。海の家をはじめとした受け皿が無くなり、人が来なくなったら残念な限り」とし、駐車場運営なども新たな手法を検討する。
 大型連休中、海の家の営業は午前7時から午後5時まで。近隣駐車場は無料開放する。

 ■市内海水浴客 2年連続最少
 下田市観光交流課によると、2021年夏の市内9海水浴場の遊客数は14万1600人(前年比23.3%減)。記録が残る1985年以降の過去最少を2年連続で更新した。
 吉佐美大浜海岸は2021年夏に6200人が来訪。過去10年の最多は13年の5万8300人だった。21年夏は市内の海水浴場9カ所のうち、6カ所で前年より減少し、全地点でコロナ禍前の19年夏比で減少した。

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