静岡人インタビュー「この人」 山田教文さん(富士市)富士市副市長に就任した
建設機械メーカー勤務を経て1987年に富士市役所入庁。企画や財政部門を経験した。市長公室長兼市長戦略課長、産業経済部長、財政部長を歴任し、4月から現職。2人制の副市長の一翼として都市整備や産業振興、教育、消防を担う。60歳。
―就任の抱負は。
「安全安心はまちづくりの大前提。昨年発生した水害対策や富士山麓の盛り土問題に当たる。富士駅北口再整備も関係者と連携して着実に進める。女性や若い人が快適と感じるまちへと魅力を高めたい。そのためにはアイデアを持つ市職員の力を引き出す。小さな成功体験を重ね、職員の成長を促したい」
―産業振興への取り組みは。
「燃料や原材料高、円安の影響が現れ始めるはず。市内企業を訪問し、必要な支援策を見定める。大手で進むテレワークやデジタル化を中小企業に還元し、高度化を促進したい。首都圏企業の本社移転につながるよう、富士山の景観や環境を売りにしてまずは拠点誘致を図る」
―盛り土問題の対応は。
「盛り土と呼ばれる建設残土の違法埋め立ては、県条例改正により新たな盛り土の抑止にはつながるはず。ただ、違反状態で放置された土砂の撤去には所有者移転などもあり、苦慮している。富士市はパトロールや刑事告発など熱海市の土石流災害前から厳しい対応をしてきた。ノウハウを周辺市町に提供しながら連携して解決を図る」
―今後の市のあるべき姿や将来像を教えてほしい。
「ものづくりで発展した富士は財政力が安定し、福祉も充実している。ただ、男性目線の機能性重視で面白さや“わくわく”が足りない。これからはかわいいも大事。豊かな自然も生かし、文化や芸術が感じられる都市にしたい」