あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 伊豆市

大自在(4月23日)クラフトビール

 1516年のきょう、バイエルン公ウィルヘルム4世は「ビールは水、ホップと大麦だけで造ること」と定めた。世に言う「ビール純粋令」。ドイツビールの神髄とも言える法令は、今なおバイエルン州で生きている。
 原料を厳格に規定するバイエルンとは対照的に、日本では香り付けや味付けに用いる副原料の規制緩和が進む。2018年の酒税法改正で、果実やハーブはもちろん、茶葉や牡蠣[かき]、かつお節もビールに使えるようになった・
 背景には、近年のクラフトビール人気の高まりがある。県内には20超の小規模醸造所があり、今夏は三島、静岡の両市に新顔が。ファンいわく「ビール大国・静岡」は、決して大げさな評ではない。
 連載の取材で、各地の醸造所を訪ねている。00年設立のベアードブルーイング(伊豆市)は、全国の醸造家から尊敬を集める本県の顔の一つ。創業者のブライアン・ベアードさん(米国出身)は「ビール工場は4K職場」と口にする。「きつい、汚い、危険。でもね、カッコいい」とニヤリ。醸造は今や、若者の憧れの職業である。
 色、味、香り、アルコール度-。これほど多彩な飲料はない。ダイバーシティを象徴している。「ビールを発明した人は賢人である」とは古代ギリシャの哲学者プラトンの言。「米国建国の父」ベンジャミン・フランクリンが「ビールは神がわれわれを愛し、幸せを願っている証し」と言ったとの説もある。
 来たる黄金週間を賢く、幸せに過ごすなら、静岡産のビールをグイッとやるのもいい。書いていたら、飲みたくなってきた。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

伊豆市の記事一覧

他の追っかけを読む