あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 編集長セレクト

行政データ+市民の技術 浜松市、子育て情報発信に一工夫

 浜松市は今春、IT技術を持つ市民が携わるシビックテックの手法を取り入れ、子育て情報サイト「ぴっぴ」の充実化を図った。膨大な市のオープンデータ(公開情報)を市民目線で整理し、より便利な形で発信する試み。行政と市民がデジタル技術でサービスを共創する動きとして注目される。

AIスピーカーを使った自動応答のプログラムを作る荒川奏良さん(右)小木悠斗さん(中央)ら=3月下旬、浜松市中区
AIスピーカーを使った自動応答のプログラムを作る荒川奏良さん(右)小木悠斗さん(中央)ら=3月下旬、浜松市中区

 「小児科の休日当番医を教えて」。AIスピーカー「アレクサ」に話しかけると、自動音声が知りたい情報を回答してくれる。
 サイトに加わった新機能を支えるのは市内のNPO法人「はままつ子育てネットワークぴっぴ」(原田博子理事長)のメンバーと、IT企業に勤める小木悠斗さん(38)、静岡大情報学部3年荒川奏良(そら)さん(21)。
 「育児で両手がふさがりがちな母親に、音声の自動応答機能が役立つのでは」。市からサイトの改良を受託したぴっぴが発案し、機能の自作が可能なアレクサに注目した。市がオープンデータとして公開している行政情報を活用し、限られた予算で実現できないか、市内でエンジニア仲間と勉強会を開いている小木さんらに協力を求めた。
 小木さんと荒川さんは昨年から仕事や授業の合間に集まり、市のデータが自動応答に反映できるようプログラムを構築した。市の情報公開の担当部局とも協力し、データがプログラムに適合するよう互いに調整を重ねた。
 一般的な相場より少ない報酬で取り組んだという小木さんは「自分も浜松で子育て中。苦労はあったが、地域を良くするために技術を生かせるのは楽しい経験」と語る。
 今後も自動応答に対応する情報量の充実を図る。ぴっぴの村松千香子理事は「行政が持つ情報を市民のさまざまな工夫で発信できれば、必要とする人により届きやすくなるのでは」と実感を込めた。
 
 ■シビックテック注目集まる
 シビックテックは自治体によるオープンデータなどの資源を市民や企業が活用し、地域課題を解決する手法。2年前の新型コロナウイルス感染拡大期には各地で市民有志が感染者数などを速報するサイトを立ち上げ、情報発信に手が回らなくなっていた行政を補う地域インフラになった。
 浜松市は約300項目の情報を二次利用しやすい電子ファイルに整理し、ホームページでオープンデータとして公開中。常時更新していて、データを使ったウェブ上の民間サービスも増えつつある。
 項目によって体裁にばらつきもあり、使いにくさを指摘されることもある。広聴広報課は「活用事例が蓄積されることで市の情報発信も習熟し、内容も充実していく。ぜひ活用のアイデアを寄せてほしい」と呼び掛ける。
 

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

編集長セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む