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テーマ : 芸能・音楽・舞台

あの人に聞きたい/トマトケチャップボーイズ【NEXT特捜隊】

 浜松市出身の3人組バンド「トマトケチャップボーイズ」。同市中区の女性から「取材してほしい」と依頼を受け、ギター、ボーカルの鈴木晴揮さん(24)に話を聞いた。同バンドは都内を中心にライブ活動を展開してきたが、3月いっぱいで活動を休止する。現メンバーによるラストライブ(30日、都内)を前に、バンド結成までの経緯や約5年にわたる音楽活動、突然の休止の理由、今後への思いなどを語ってもらった。


 ■出発点は映画
 子どもの頃から映画が好きで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「20世紀少年」を見て、バンドに憧れました。中学に入り、同級生で現メンバーの石川元啓に影響を受け、表現の軸がパンクになりました。当時何も知らなかった自分に石川は「チャック・ベリー」と「ビートルズ」の名前を腕にマジックで書いて教えてくれました。
 2017年に大学進学を機に上京し、石川と、共通の音楽仲間の武知駿介を誘って「トマトケチャップボーイズ」を結成しました。当時はあまり将来のことまで考えていませんでした。バンド名も部屋に飾ってあったアンディ・ウォーホルのポスターを見ながら、ノリで付けちゃいました。

 ■凱旋ツアーでの発見
 昨年の10月に磐田、名古屋、静岡、東京・下北沢などを回るツアーを行い、地元浜松でも演奏しました。その際、これまで東京で続けてきたボーダーレスで自由なスタイルが、うまく伝わらなかったような気がして。なんとなく盛り上がらなかったんですよね。一瞬、東京と浜松の音楽文化の違いを言い訳にしそうになりました。でも、それ以上にもっと浜松を知りたいと思ったんです。
 久々に浜松の街を歩くと、高校時代にはなかった新しいお店ができていたり、一方で当時通っていたライブハウスが閉店したりと、変化を感じました。街を知ると、人と人のつながりも見えてきて、それって東京にはないローカルならではの面白さだなと思いました。

 ■活動休止、新たな歩み
 メンバーの石川が、家業を継ぐためにバンドを離れることになりました。自分もこの1年、学生から社会人になり、生きることの難しさや理不尽も感じました。自分のやっていることに納得感がないような。これを機に一度自分を見つめ直そうと思ったんです。3月でバンドはいったん活動休止します。
 今後は拠点を浜松に移し、価値観の幅や人とのつながりを広げたいです。閉店したライブハウスのように、音楽好きが垣根を超えて集まれるような場所づくりにも興味があります。音楽に限らず、「自分ができる範囲のこと」を世の中に発信していきたいと思っています。

 <profile>
 トマトケチャップボーイズ 浜松市の中学の同級生だった鈴木晴揮さん(24)=写真(中)=と石川元啓さん(24)=同(左)=に、武知駿介さん(25)=同(右)、同市出身=を加えた3人で2017年に結成。都内を中心にライブを展開し、18年には大型イベント「サマーソニック」にも出演した。昨年は凱旋(がいせん)ツアーを行うなど、地元での活動にも力を注いでいた。

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