食堂「蒲原館」復活 23日再オープン 愛されたラーメンの味継承
昨年12月に閉店した静岡市清水区蒲原の食堂「蒲原館」が23日、屋号を引き継いだ地元企業グループ「スルガノホールディングス」の手により再オープンした。旧店主の望月昇さん(73)から指導を受けた同区草薙の杉山味乃里さん(41)が新店長を務め、地元で長く愛されてきたラーメンを継承し提供する。

蒲原館は1954年の創業。深い味わいのラーメンや丼物、カレーといった幅広いメニューで地元住民だけではなく県内外の人々に愛されてきた。
杉山さんのラーメン継承は閉店間際の昨年12月から始まった。望月さんから付きっきりで調理法を教わり、スープのレシピや麺もそのままに再現。「変わらない味を実現するためには引いても足しても駄目。一番難しいポイントだった」と杉山さんは振り返る。21、22両日には地元住民らを招いたプレオープンを実施した。来店客が残したアンケート用紙には「昔と変わらずおいしいです」「蒲原館の味でした」と、苦心の成果が表れていた。
再オープン後はラーメンやチャーハンなど特に人気の高い代表的なメニューを提供する。品数は徐々に増やす予定で、今後はアンケートで要望の多かったオムライスの再現に取り組む。杉山さんは「約30種類あった全メニューを復活できれば」と意気込んだ。蒲原館は昼のみの営業で午前10時半~午後2時半まで。定休は木曜日。