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浜松湖西豊橋道路ルート決定 変わるまちの姿に関心を【風紋】

 東名高速道三ケ日ジャンクション(JCT)と三河港(愛知県豊橋市)を結ぶ自動車専用道「浜松湖西豊橋道路」について、湖西市北部を通るルートが11月に決定した。インターチェンジ(IC)は同市太田付近などに設置する方針。まちの活性化の好機と捉え、地域で議論に向けた準備を始めてほしい。
 国土交通省中部地方整備局が三つのルート案の中から選んだのは、湖西市の新所原市街地北側を通る最短の「西側ルート(約26キロ)」。ICは同市のほか、浜松市北区三ケ日町と豊橋市の計5カ所の設置を検討する。予定するIC周辺には自動車関連などの工場が多いため現道の渋滞解消が見込まれ、防災拠点や観光圏域へのアクセス向上も期待される。
 ルート決定が発表された翌日、湖西市は同道路の整備を見据え「土地利活用推進本部」を庁内に立ち上げた。IC周辺の土地の利活用について部局横断的に検討を進める。第1回会議で影山剛士市長は、市内沿岸部から北に向けて走る大倉戸茶屋松線の整備も進んでいることに触れ「まちの姿は中長期的に変わっていく」と指摘した。
 大倉戸茶屋松線のうち、国道1号バイパス大倉戸ICからJR東海道新幹線の線路南側までの道路の大部分は2023年夏に整備完了予定。浜松湖西豊橋道路と合わせ、2本の幹線道路整備をきっかけに、まちの将来像は大きく変わる可能性がある。
 新東名高速道の島田金谷IC付近に整備された体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」は11月で開業1年を迎えた。運営会社によると、コロナ禍の外出自粛の影響を受けたものの来場者は年間約70万人、売り上げは約10億円。同施設は島田市と大井川鉄道、JA大井川、中日本高速道路の4者が連携し整備した。担当者は「民間と行政の互いの強みを生かしている」と地域振興への手応えを口にする。
 浜松湖西豊橋道路の詳細ルートや着工時期が決まるのはまだ数年先。ただ今後は行政だけでなく、農業や工業、観光など幅広い関係者の関心が高まり、にぎわい創出や企業誘致につながるアイデアが磨かれることに期待したい。

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