外国人案内、やさしい日本語で 静岡県、普及後押し

(2020/1/27 17:00)
富士山を題材にしたやさしい日本語研修会。県が観光を軸にした講座を開くのは初めて=21日、沼津市内

 静岡県は本年度、外国人にも伝わりやすいよう語彙(ごい)や文法を分かりやすくした「やさしい日本語」の普及強化に取り組んでいる。改正入管難民法の施行による外国人労働者の増加に加え、東京五輪・パラリンピックを観戦するインバウンド(訪日外国人)も見込まれる中、従来の防災分野ばかりでなく、観光や教育など多方面で活用を広げたい考えだ。
 沼津市で21日、富士山観光をテーマに県が初開催した研修会。関連施設や広報物の表記を簡易な日本語に言い換えることを目的とした取り組みで、周辺市町の職員や観光事業者ら約50人がポイントを学んだ。静岡鉄道企画課の高鳥守旦主任は「バスやタクシー運転手全員が外国語を話せるわけではなく、対応に迷っていた。日本語でどう話せば伝わりやすいか分かり、早速実践したい」と話した。
 日本政府観光局の17年の統計によると、訪日外国人の7割以上が東アジア出身で、必ずしも英語を母語としていない。県が本県在住の外国人に16年に実施した調査でも、「やさしい日本語であれば理解できる」とした人が6割以上いた一方、「英語を理解できる」とした人は約2割にとどまった。研修会で講師を務めた「やさしい日本語ツーリズム研究会」の吉開章代表は「日本人は『外国人には英語で対応しなければ』と思いがち。でも、国内にいる外国人との共通言語は分かりやすい日本語」と指摘する。
 県は外国人児童や保護者との円滑なコミュニケーションに向け、教育現場でもやさしい日本語の活用促進を図っている。聖心女子大の岩田一成准教授をアドバイザーに、沼津市立第五小と焼津市立和田小をモデル校に指定。昨年12月から今年3月に複数回講座を開き、教職員が会話の仕方や配布文書の書き方などを学ぶ。
 県多文化共生課の長谷川敏久課長は「やさしい日本語は多言語対応の一つの方法として期待が高まっている。やさしいとは簡単という意味だけでなく、相手を思いやるという意味も込められている」と話す。

 <メモ>やさしい日本語 1995年の阪神大震災で外国人の避難誘導が課題となったのを機に考案された。ポイントは(1)一文を短くする(2)「高台に避難してください」を「高い場所へ逃げてください」と言い換えるなど難しい言葉は避ける(3)擬音やカタカナ語は使用しない―など。国が昨年12月に改訂した「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」には、やさしい日本語の活用に関するガイドラインの作成が盛り込まれた。外国人だけでなく子どもや高齢者、障害者への情報発信にも有効と考えられている。

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