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ブラジル議会襲撃1カ月 参加者「戦いやめない」 前大統領の関与焦点に【大型サイド】

 1月8日にブラジルのボルソナロ前大統領支持者が連邦議会、大統領府、最高裁を襲撃した事件から1カ月が経過した。襲撃に参加し拘束された男性が共同通信の取材に応じ「戦いをやめない」と強調。今後は扇動の疑いで捜査対象となっているボルソナロ氏の関与の有無や動向が焦点となる。  疑惑

ブラジルの首都ブラジリアで警察と衝突するボルソナロ前大統領の支持者ら=1月8日(AP=共同)
ブラジルの首都ブラジリアで警察と衝突するボルソナロ前大統領の支持者ら=1月8日(AP=共同)
ブラジルの首都ブラジリアで、議会を襲撃し建物の屋上に立つボルソナロ前大統領の支持者ら=1月8日(AP=共同)
ブラジルの首都ブラジリアで、議会を襲撃し建物の屋上に立つボルソナロ前大統領の支持者ら=1月8日(AP=共同)
ブラジルのボルソナロ前大統領を巡る動き(写真はロイター)
ブラジルのボルソナロ前大統領を巡る動き(写真はロイター)
ブラジルの首都ブラジリアで警察と衝突するボルソナロ前大統領の支持者ら=1月8日(AP=共同)
ブラジルの首都ブラジリアで、議会を襲撃し建物の屋上に立つボルソナロ前大統領の支持者ら=1月8日(AP=共同)
ブラジルのボルソナロ前大統領を巡る動き(写真はロイター)

 渦中のボルソナロ氏は昨年12月30日から米南部フロリダ州に滞在し、関与を否定している。トランプ前米大統領派の団体が主催する講演会に出席するなどして過ごしている。米国に公用ビザ(査証)で入ったとされ、今年1月27日に6カ月滞在できる観光ビザを申請。捜査の手を逃れようとしていると指摘される。
 疑惑は続々と出ている。上院議員の一人は有力誌に、昨年12月にボルソナロ氏らからルラ大統領の就任を阻む計画を持ちかけられたと証言した。
 ボルソナロ氏が敗れた昨年10月の大統領選を巡り、選挙を総括する高等選挙裁判所の長官から違法な発言を引き出して録音し、長官の逮捕につなげ選挙結果を覆す計画だったという。  奇妙
 襲撃に関わったとして10日以上拘束された男性販売員(30)が取材に応じた。大統領選後、リオデジャネイロの陸軍施設前で60日以上、泊まり込み結果に抗議していた。
 今年1月7日、集団でバスに乗り首都ブラジリアに移動した。政府中枢を占拠しマスコミの注目を集めるのが目的と聞いた。8日、ブラジリアの陸軍本部前に集まった約4千人と議会などが集まるエリアへ。支持者は建物のガラスを割り侵入を始めた。男性は破壊行動に驚き、建物内には入らなかったという。
 その際、男性は奇妙な光景を目にした。警官が雑談していたり「俺たちも仲間だ」と支援者らに叫んだりしていた。当局内部には協力者がいた。ルラ氏はこうした「共謀」を問題視し、陸軍司令官ら幹部や兵士140人以上を解任。軍警察の大佐らも拘束された。  偽情報
 男性は持病などを理由に釈放されたが、居場所の把握を可能にする「電子足輪」をつけられ、行動が制限されている。
 それでも考えを変えるつもりはない。ボルソナロ氏と同様にブラジルの電子投票システムに疑問を呈し「大統領選の不正は明白だ。戦いをやめない」と主張した。
 教皇庁立サンパウロ・カトリック大のロゼマリ・セグラド教授は、支援者はボルソナロ氏がソーシャルメディアなどで拡散する偽情報に「毒され続けてきた」と指摘。関係者の処罰とともに、事件の根本にある社会の分断を緩和するため偽情報を抑えることが「非常に重要だ」と話した。(サンパウロ共同=中川千歳)

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