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出生数80万人割れへ 未婚率30年で4~5倍に 若年層の支援拡充急務

 2022年の出生数が80万人の大台割れとなる見通しになった。加速する少子化に大きな影響を与えているのは未婚者の急増。50歳まで一度も結婚したことがない人の割合「50歳時未婚率」はこの30年間で約4~5倍になっており、希望する人が結婚しやすくなるよう、若年層などへの支援拡充が急務だ。

50歳時未婚率の推移
50歳時未婚率の推移


4~6人に1人
 国立社会保障・人口問題研究所の算出によると、50歳時未婚率は1990年に男性5・57%、女性4・33%だったのに対し、2010年は20・14%と10・61%、20年は28・25%と17・81%になり、それぞれ急増。15年分からは算出方法の変更があったが、20年は男性の約4人に1人、女性の約6人に1人が結婚していないことになる。未婚増は出生数の推移にも直結する。
 女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」は、人口を維持するには2・07程度が必要とされる。
 1970年代にはおおむね2・00を超えていたが、89年には、「ひのえうま」として過去最低だった66年の数字をさらに下回る1・57という数字が出て「1・57ショック」と言われ、国が少子化対策に乗り出すきっかけになった。

自治体も苦心
 国は94年、保育所整備などを盛り込んだ「エンゼルプラン」を策定。2003年に「少子化社会対策基本法」を制定し、翌年には「少子化社会対策大綱」を策定した。20年の大綱改定では少子化の主な原因は未婚化や晩婚化だとして、若年世代の雇用環境整備などを掲げたが、その後の施策で目立った成果は出ていないのが現状だ。
 各自治体も頭を悩ませる。高知県の担当者は「未婚の原因は複合的で明確な理由は分からないが、まず希望者が結婚できるように支援することが重要だ」と話す。マッチングアプリの活用やイベントの開催で男女の出会いの場をつくる。
 岩手県でも同様に出会いの機会を創出する事業を実施しているほか、年齢が一定以上になると妊娠しづらくなることや、不妊についての正しい知識を身につけてもらうために冊子を作り、学校などで配布する事業に取り組んでいる。

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