重度障害児に卒業後の居場所 静岡、母親らの思いが形に

(2019/10/4 17:02)
学校が大好きという菊地優希さん(手前)と食事の介助をする母の美知子さん=8月下旬、静岡市葵区

 静岡市駿河区に2020年4月、重症心身障害者に対応する民設民営の生活介護事業所「ぴぃーす」が開所する。整備、運営を担うのは県立中央特別支援学校(葵区)の保護者会有志が発足させたNPO法人ぴゅあ。「子どもたちに卒業後の居場所を」と11年から続けた活動が形となり、重い障害の人たちが地域で生活する拠点になる。
 ぴぃーすの対象者は常時介護などが必要な18歳以上で、定員は20人。医療行為の可能なスタッフが常駐する。医療的ケアが必要な人も受け入れ、家族の在宅ケアの負担を軽減する。福祉系の学生の実習やボランティアを積極的に受け入れるなどして開かれた施設を目指す。
 建設地は市が「生涯活躍のまち(CCRC)静岡」構想を掲げる駿河区登呂の「駿河共生地区」。市有地800平方メートルを当分の間無償で貸与し、施設整備費の一部は国と市が補助した。9月17日に起工式が行われた。
 ぴゅあには重度の身体、知的障害がある子どもの母親14人を含む約30人が在籍している。「障害がある子を育てるのは、親や子にとってつらいこともたくさんあった」。理事を務める西沢浩子さん(52)は8月末に同市葵区で開いた施設開所の報告会で涙ながらに語り「たくさんの人との出会いを積み重ね、施設開所へつながった」とぴぃーすに込めた思いを伝えた。
 ぴぃーすは支援者や保護者から寄付を募り「質の高い療育」を継続的に提供する方針。ぴゅあのメンバーで同市葵区の菊地美知子さん(48)は、学校が大好きだという中学3年の息子の優希さんについて「障害が重度で高校卒業後に行く所がない」と説明。「お母さんたちの頑張りでできる施設」の完成に期待を寄せている。

 <メモ>生涯活躍のまち(CCRC)静岡 「健康長寿のまち」「誰もが住み慣れた地域で、できる限り健康で自分らしく暮らすまち」といった、高齢者を中心に誰もが生涯活躍できる環境をつくるための構想で、2018年に本格始動した。モデル地区は駿河区役所周辺の「駿河共生地区」と葵区中心街の「葵おまち地区」の2カ所。駿河共生地区には同市初となる民設民営の児童発達支援センター「もも」などがある。葵おまち地区では、元気な高齢者のまちなか移住を推進している。

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