静岡県立大発 まんが しずおかのDNA(18)モノづくりからブランドへ

(2020/5/18 11:06)
漫画=かとうひな

 ここに味と価格が全く同じ「二つの牛肉」があるとしよう。一つのパッケージには「静岡和牛」と書いてある。もう一つには「松阪牛」と書いてある。さて、あなたはどちらの牛肉を選ぶだろうか?
 プロが選ぶ品評会では、静岡和牛は高い評価を受けているにもかかわらず、全国の消費者に聞いてみると、圧倒的に多くの人々が「松阪牛」を選択する。
 これがブランドの力だ。品質や価格が全く同じだとしても、選ばれる商品と、選ばれない商品がある。選ばれるのは「強いブランド」である。21世紀は、「モノづくり」を超える「ブランドづくり」の時代だ。単に「よいモノをつくれば売れる」という時代は、もはや過ぎ去った。
 本県の企業のモノづくり力はとても高く、質の高い商品がたくさんある。だが、消費者に選ばれるためには、品質を超えた「何か」が欠かせない。
 その「何か」が、ブランドだ。強いブランドは、生産者が「売りたい商品」を消費者が「買いたい商品」に変えてくれる。和牛の例でみたとおり、現代の商品の競争力は、ブランド力によって決まるといっても過言ではない。では、どうすれば強いブランドをつくることができるのだろうか?
 筆者の研究室で、強いブランドにはどのような特徴があるのか、調査を実施した。消費者調査データの分析の結果、「強いブランド」の条件として、以下の四つが抽出された。
 (1)コンセプトが明確である(2)感性に訴求している(3)独自性がある(4)低価格ではない。これらの4条件に、ブランドづくりのヒントがあるはずだ。
 その商品は、コンセプトやイメージが明快だろうか。消費者の感性(心)に訴求しているだろうか。独自性があるだろうか。価格以外の魅力で消費者を引きつけているだろうか。
 強いブランドは、成り行き任せではできない。戦略性と創造性を持ってつくりあげるものである。県内企業の積極的なブランド構築への取り組みに期待したい。 (岩崎邦彦/経営情報学部教授 マーケティング)
 静岡県立大の執筆陣が文理の枠を超え、漫画を使って静岡のDNA(文化・風土)を科学的に解き明かす(静岡新聞月曜朝刊「科学面」掲載)。

「静岡県立大発 まんが しずおかのDNA」この他の記事

> 一覧

  • 静岡購読お申し込みは 0120-89-4311

ニュース記事アクセスランキング

    ニュース特集アクセスランキング

      • スクープ投稿

      • 静岡購読NIE

      • 静岡新聞の本

      カテゴリー'