2020年6月20日【大自在】

(2020/6/20 08:07)

 女性の参政権を認めた米国の憲法修正条項は「アンソニー修正」とも呼ばれる。ことし批准100年の節目を迎えた。呼称は長きにわたって女性参政権運動を主導したスーザン・アンソニー(1820~1906年)にちなむ
 ▼10代で奴隷解放運動に加わり、南北戦争では北軍を強く支持した。しかし戦争後、選挙権の拡張は黒人のみにとどまり、女性には認められなかった。平等への第一歩との評価もあったが、アンソニーは批判。その生涯を女性参政権にささげた
 ▼逮捕歴があるそうだ。1872年の大統領選で法律に反して投票し、有罪判決を受けた。だがこの裁判によって、運動は新たな注目を集める。亡くなって14年後、遺志は実現した。時は流れ、海のこちらの島国では、女性政治家が夫とともに逮捕された
 ▼昨夏の参院選で初当選した河井案里容疑者と、夫で衆院議員の克行容疑者。夫妻には地元広島の県議ら約100人へ、票のとりまとめ依頼を目的に総額2500万円余りを配った疑いが持たれる
 ▼「受け取れない」と固辞する後援会幹部に「まあ、足代と思って」と現金が入る茶封筒を置いていく克行容疑者。その後、法相を務めた者の姿とは思えぬ。案里容疑者に対しては「女性議員は、特にクリーンなイメージがあったのに」と嘆く声も
 ▼アンソニーは裁判で罰金100ドルが科せられたが、支払いを拒否した。信念に基づく行為だったからに違いない。一方、容疑者夫妻も違法性の認識を否定しているという。信念に基づく行為だったと、どこまで言い張れるだろう。

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