
静岡県内の空き家の数が過去最多を超えました。
空き家は所有者の負担に加え、放置することで倒壊やごみの不法投棄などトラブルのリスクが高まります。
やっかいものともいえる「空き家」ですが、掛川市はそのポテンシャルを引き出して「地域の資源」にする取り組みを進めています。
■リフォームや売却を検討も...「費用」と「手間」に課題
<伊藤淳子さん>
「1年半くらい前に父親が亡くなって、それからは誰も住んでいない状態です」
磐田市に空き家を所有する伊藤淳子さん。
父親が他界しこの家を相続して以来、定期的に空気を入れ替え、片付けを続けています。伊藤さんはリフォームや売却も検討していますが、「費用」と「手間」から踏み切れません。
<伊藤さん>
「解体するにも金額が上がっているし、土地は安くなっているけどそういう費用が上がっているから自分でプラスしていかないといけないのかなというのが一番の問題かな」
■「使える空き家」が7割以上 最大200万円の補助金で事業を後押し

総務省の調査によりますと、静岡県内の空き家の数は過去最多の約30万戸と増加傾向にあります。
<掛川市くらしデザイン課 陸田真宏課長>
「どんどん傷んできますし、タイルなんかもはがれてきますし、庭もかなり草が繁茂してしまっています」
掛川市が2025年に行った調査では市内の約4万軒のうち、1869軒が空き家となっています。
これらの空き家は倒壊のリスクなどが懸念される一方、その7割以上が小規模な修繕で再利用できる「使える空き家」だったこともわかりました。
<陸田課長>
「2025年度から空き家の活用の方に力を入れていまして、空き家活用モデル事業という補助金をつくりまして、空き家活用のモデルとなるような事例をいくつか市内に作って」
掛川市では、一定期間継続して活用することを条件に、空き家を使った事業に対し、最大200万円の補助金を出して後押ししています。
こうした補助金制度などを活用し、地域の新たな拠点として生まれ変わった場所があります。
■建物を改装して宿をオープン 歴史と文化を未来へ

<1級建築士 村松謙一さん>
「宿と美術館兼用のエントランスです。皆さまに泊りながら美術を自由に見ていただけるようになっています」
築95年の建物を改装した掛川市横須賀にある「愛宕下の宿」。
建物を残していきたいという所有者から相談を受けた村松謙一さんは、掛川市の制度を利用し息子ら家族とともに手作業で改修を行い、2026年7月に宿をオープンさせました。
<村松さん>
「外にあるサッシは昔のままなんですね、今回はここに障子を入れて美術館にあった作品を飾りながらこの壁1面だけはやり直した」
補強は最小限に抑え、建物の風合いをそのまま生かして再生しました。この宿が人と人をつなぐ新たな交流の拠点となってほしいと期待しています。
<村松さん>
「観光資源が乏しい地域であっても泊っていただいて、横須賀街道の歴史ある街並み風情は残っていますので、より地域に影響及ぼせる施設になってほしい」
民間の情熱と行政の支援。
長年、持て余されていた空き家が、歴史と文化を未来へつなぐ新たな資源へと生まれ変わっています。













































































