
静岡県内のモノづくりを支える企業や人にフォーカスする「しずおかモノ語り」。
静岡県西伊豆町田子地区に140年以上続く鰹節店があります。
伝統の「潮かつお」や鰹節を未来に残そうと願う、職人たちの情熱が地域に広がっています。

8月8日、西伊豆町で開かれた鰹節づくりの見学会。普段目にしない光景に子どもたちが目を輝かせます。
<参加した子ども>
「おいしい、味が濃い」
見学会を開いた芹沢安久さん。芹沢さんは西伊豆町で140年以上続く「カネサ鰹節商店」の5代目店主で、田子節と呼ばれる鰹節を年間1万~2万本作っています。
<カネサ鰹節商店五代目 芹沢安久さん>
「すべての工程がうまくいくことによって初めて鰹節は上手にできるので、手が抜けない工程です」
■40軒以上あった製造業者は4軒に...

かつて西伊豆町の田子地区はカツオ漁で栄えた漁師町でしたが、今は焼津港などに水揚げされたカツオを仕入れています。
40軒以上あった鰹節の製造業者も現在はわずか4軒を残すのみとなりました。
鰹節はこの地に伝わる「手火山式焙乾製法」で時間をかけて作っていきます。
江戸時代、和歌山県で生まれた製法を改良し、伊豆や焼津に伝わりました。何段にも重ねたセイロを薪を燃やした熱と煙でいぶしカツオを乾燥させますが、一瞬たりとも気が抜けません。
<芹沢さん>
「煙が薄くなると強い火が効いている。なのでこういう時にちゃんと下の鰹節の様子をうかがわないと焦げたりする」
■半年の歳月かける"最高峰の田子節"

うまみが凝縮されたカチカチの鰹節に仕上げるため、焙乾(8~10回)と天日干し(6~8回)を幾度も繰り返します。
半年かけてできた田子節ー。プロの料理人は「これ以上ない最高峰のダシが出る」と絶大な信頼を寄せています。
芹沢さんは、全国で田子地区だけに伝わる正月の縁起物、「潮かつお」も作っています。
伝統の「潮かつお」ですが、知名度不足や、食べ方がわからないなどの理由で、今後、消えてしまうのではないかという不安がありました。
そこで、芹沢さんは、2008年に「西伊豆しおかつお研究会」を立ち上げ、潮かつおを使ったご当地グルメを作ろうと活動を始めました。
しかし、思いもしない言葉をかけられます。
■反対を乗り越えグランプリ受賞

<芹沢さん>
「なんでそんな罰当たりなことをするんだ!とか...。潮かつお自体が神様への捧げ物なので、捧げてから食べるという文化なんですよ。なので、すごく反対意見が多かった」
それでも芹沢さんは諦めず、地元の子どもたちとも、「ご当地グルメで1番になる」と約束し、2017年のご当地グルメの大会ではゴールドグランプリを受賞。地元の人も応援してくれるようになりました。
2026年中には、カツオ漁の資料などを集めたミュージアムもオープンする予定です。
<芹沢さん>
「鰹節を作るだけじゃなくて、伝える役目も僕は託されているのかな。自分が動ける間は作りながら発信しながら、みんなにお話ししながら、やっていきたい」













































































