「ゆくゆくは食品に関するごみという概念を無くしていけたら」伊豆の映えスポットで誕生した環境に優しいスイーツ 捨てられていた「コーヒーかす」を有効活用【SDGs】

コーヒーを豆から淹れると必ず出て、ごみになってしまうのが『コーヒーかす』です。

静岡県伊豆にある観光施設は大量に処分していたコーヒーかすを捨てずに再利用するため、新たな商品を開発しました。

伊豆長岡の景色を一望できる伊豆パノラマパーク。標高452メートルの葛城山の山頂で楽しむ冷たいコーヒーやスイーツは格別です。

しかし、おいしいコーヒーを淹れるたびに出るのがコーヒー豆のかすです。

<金原一隆記者>
「抽出を終えたコーヒー豆のかす、結構な量が出ますか?」
<葛城珈琲 内田百香さん>
「結構な量が出ます。夏はアイスコーヒーの豆のかす、冬はホット用の豆のかすが出ます。冬のほうが多いですけど、年間で550キロ」

■「年間で550キロ」捨てられていたコーヒーかすの有効活用・スイーツ販売へ

伊豆パノラマパークではコーヒーかすを有効活用しようと、乾燥させて消臭材を作って利用客に無料配布したり、施設のレストランに置いたりしていますが使い切れません。

そこで、コーヒー豆を100%活用してコーヒーかすを捨てずに使い切るSDGsスイーツの販売を始めました。

「麹カフェ・アップルパウンドケーキ」(税込700円)、「麹カフェ・ブラウニー」(税込580円)。

<観光客>
Q. ブラウニーどうですか?
「しっかり甘くておいしいです」
<観光客>
「苦いの?」
<観光客>
「んー、言われてみれば、ちゃんとコーヒーの味はします」

■ペーストにしてから麹で発酵!

コーヒー豆のかすは食物繊維やミネラルを豊富に含んでいて、捨ててしまうのはもったいない食材なのです。

スイーツを開発した石垣哲治さんです。独自の発酵技術で新たな食品を生み出しています。

<金原記者>
「抽出後のコーヒー豆かすを乾燥させたものをすりつぶして入れている?」
<ソーイ 石垣哲治社長>
「濡れたまま加水して、ペーストにしてから、麹で発酵させています。できた状態がこれです」
<金原記者>
「この液体が(スイーツに)入っているんですか」

■「コーヒーのコクがすごく出る」

コーヒー豆のかすは、麦麹による発酵の作用で滑らかなペーストになります。

<金原記者>
「ペーストにしたことでスイーツはどう変わるんですか?」
<ソーイ 石垣哲治社長>
「コーヒーのコクがすごく出ることと、菓子の味のまろやかさやバランスを良くして、しっとり感を保たせる」

伊豆パノラマパークの施設全体ではコーヒーかすは年間700キロにもなるといいます。

ごみ処理した場合、1年間で排出されるCO2はガソリン車の排ガスに換算すると約1400キロ、本州を縦断する距離になります。捨てていたものが新たな食材に生まれ変わりました。

■年間700キロの廃材削減へ

<葛城珈琲 内田百香さん>
「コーヒーかすだけでなく食品の廃材はたくさんあると思う。これからこういった商品がもっと増えて欲しいですし、ゆくゆくは食品に関するごみという概念を無くしていけたらと思います」

<ソーイ 石垣哲治社長>
「考え方を変えていけば、ごみだと思っていたものが実はおいしい食材になるということは、いくらでも人の意識で変えていけると私は思います」

国内では年間約42万トンのコーヒーが消費されていて、出てくる「コーヒーかす」は、60万トンを超えるといいます。

そのコーヒーかすをアップサイクルしたらおいしいスイーツが完成。ごみを減らし、CO2排出量も減らす。伊豆パノラマパークから各地の観光施設にも情報発信していきたいと意気込んでいます。

伊豆パノラマパークとソーイは、いずれもSDGsへの取り組みで静岡県から表彰され、県から紹介された縁をきっかけにコーヒー豆かす処理の課題をコラボして解決しました。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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