
7月28日に熊本県で発生した震度7の地震について、静岡大学防災総合センターの岩田孝仁客員教授に話を聞きました。岩田さんは10年前の熊本地震の際、現地調査をしています。

<キャスター>
今回地震が起きた場所の周辺には2つの活断層があります。10年前の熊本地震でも、この2つの活断層で最大震度7の地震が2回発生しています。この10年前の地震と今回の地震は何か関連があるんでしょうか?
<静岡大学防災総合センター 岩田孝仁客員教授>
10年前に日奈久(ひなぐ)断層の北の端で起きた地震がありました。この地震のある意味、断層の割れ残りの部分が今回の震源になったところです。この日奈久断層は大体70kmぐらいの長さがあるんですが、3分の1ぐらいが前回割れて、今回は真ん中の3分の1ぐらいのところが破壊しているという特徴がありますね。
■同様の地震は静岡県内でも起きる?
<キャスター>
今回の地震は「横ずれ型」と指摘されています。断層がずれて起きる地震ですが、被害状況を確認しますと、この断層のずれが地表に達しているように見られる部分もありますよね。同様の地震は静岡県内でも起き得るんでしょうか?

<岩田客員教授>
県内でも活断層はいくつかあります。例えば富士川河口断層帯、ちょうど富士川の河口に沿って南北に走るような断層。ある意味、活断層が地表に見えている場合は、そういったところが動いて地震が起きると揺れによる被害だけではなくて、断層の変位による被害も同時に発生する。そういった意味で例えば道路がそこで損壊したり、河川の堤防が切れたり、いろんなことが起きるということがありますね。
■今回、建物の倒壊が目立ったことについての分析は?
<キャスター>
この富士川河口断層帯については、南海トラフ巨大地震と連動して地震を起こし得るとも指摘されています。そして今回の地震では建物の倒壊も目立ちました。この点についてはどう分析されますか?

<岩田客員教授>
揺れそのものは最大震度7と前回と大きく変わらないんですが、今回の地震の方が少しマグニチュードの規模が小さい。その分、建物の被害の程度は前回に比べると範囲が比較的狭まってきているのではないかということがあります。これはこれからもう少し詳しく調べていかないと分からないと思います。

<キャスター>
そうした中で、静岡県内の耐震化率を見てみます。2023年度の時点では92.8%、9割を超える世帯で耐震化が進んでいるという数字が示されています。この数字についてはどう考えますか?
<岩田客員教授>
一定程度耐震化が進んできたことは非常に望ましいんですけども、実はこの数字は昭和56年、1981年の耐震基準に合致しているか合致してないか、なんですね。実はその後、阪神淡路大震災が起きて震度7に対応するような基準に2000年に変わっている。だから逆に言うと2000年の基準に達しているかどうかという視点で見ると、まだまだ不足してるところが多いんじゃないかなと思いますね。
■被災地で暑さからも身を守るには…
<キャスター>
この数字に含まれていても、建物の被害っていうのは起き得ると考えた方がよさそうです。そして、暑さについても考えていきます。

熊本県内では7月29日午後6時時点で約2万9500戸が停電していて、エアコンなどが使えない環境下、最高気温が28日の時点で37.1℃、29日は36.8度℃、いずれも猛暑で厳しい暑さとなっています。電気使えない中で、暑さからも身を守らないといけません。どうしたらいいでしょうか?
<岩田客員教授>
非常に難しいですね。いわゆる熱中症対策で、こまめに水分補給をする、塩分補給をするというのは必須です。今回、被災地でもやっぱり努力されていると思うんですけども、もう一つは車中泊をする人も結構いらっしゃる。車中泊をする場合には基本的に30分に1回は体を動かす。エコノミークラス症候群で命を落とすケースもありますから、それを回避することも同時にしていかないとまずいということですね。
<キャスター>
改めて県民への注意喚起もお願いします。
<岩田客員教授>
いつ災害が起きてもおかしくない状況というのは常に変わらないんですね。そういった中で、例えば地震に対しては基本的に耐震化をきちんと確認しておくとか、あらかじめ備えとして水や食料を備蓄をしておくとか、そういったことは基本の基として徹底していただければと思います。











































































