被害額は年間約5000万円...カワウがアユを食べる被害が深刻化 聖地の川を守る「ネットランチャー」国内初導入【現場から、】

静岡県東部を流れる狩野川では5月下旬から「アユ釣り」が解禁となり、今、最盛期を迎えています。

しかし、「カワウ」がアユを食べる被害が続いていて漁協は全国初の対策に乗り出しました。

アユの友釣りの聖地、狩野川。解禁から1か月半、天候にも恵まれた7月11日は釣り人の姿がありましたが、1980年代の様子と比べるとその差は歴然。

狩野川の釣り人は年々、減少していて、この数年では1万人を切る年もあります。静岡県によりますと、2019年に1万6000人だった釣り人は、2025年には1万2000人に減少しています。

■1日に10匹から30匹の魚を食べるとされるカワウ

<アユ釣り歴15年の釣り人>
「明らかに魚も近年、あまり釣れなくなってきているので、原因としてはカワウの影響が相当でかいと思います」

下流に行ってみると。

<竹川知佳記者>
「いましたね、川の中央に黒い影がたくさんあります。30羽以上はいるでしょうか」

カワウは体長が80センチほどある大型の水鳥で魚よりも速く泳ぎ、1日に10匹から30匹の魚を食べるといわれています。減少する釣り人とは対照的にカワウの数は10年前と比べて倍以上になっています。

静岡県によりますと、2014年3月に4512羽だったカワウは、2024年3月には1万2211羽に増えています。狩野川漁協によるとカワウによるアユの被害額は年間約5000万円になるといいます。

<アユ釣り歴30年の釣り人>
「漁協で(アユを)放流しても、それがカワウが食べるために放流しているような感じになりました」

■アユの被害額は年間約5000万円に

「アユ釣りの聖地」を守ろうと、漁協などは対策を進めています。取り付けているのはソーラーパネル付きのGPSです。

<狩野川漁協 梅原朋也さん>
「リュック背負わせている感じの構造だと思います」

位置情報でカワウの行動を把握することで一斉に駆除しようと試みています。ところがー。

<狩野川漁協 梅原さん>
「1週間か2週間くらいは追えてましたね。伊豆中央高校のここかな、ここらへんに最後、データが残っていて、GPSが壊れたのか、個体が死んじゃったのか」

カワウの生態を把握するためにはより多くのGPSを取り付ける必要があります。しかし、捕獲するのは簡単ではなく調査を始めて3年、捕まえられたカワウはたった3羽です。

■国内初の「ネットランチャー」で遠隔捕獲へ

そこで国内初の新たな対策に乗り出しました。

<狩野川漁協 梅原さん>
「ネットランチャーの遠隔装置の本体を取り付けています。これがランチャーに入っているネットと同じような物です。ここに、これが一個一個、おもりになっていて、ばーっと広がって、投網と同じような流れですよね」

カワウを捕獲する「ネットランチャー」。川沿いに設置し、遠隔で操作をすることで群れでいるカワウに向けて網を発射します。

<狩野川漁業協同組合 井川弘二郎組合長>
「関東周辺でもとても良い川ですので、そこにアクティビティとか釣りのお客さんが来るということにも影響してくるので、対策していかなければなと思っています」

年内までは続くアユ釣りのシーズン。聖地、狩野川を守るため、工夫を続けます。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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