
静岡県内のモノづくりを支える企業や人にフォーカスする「しずおかモノ語り」です。
静岡県御殿場市に、江戸時代から続く藍染め工房があります。ほとんどが機械と化学薬品で染められる時代に、天然の材料で手作りする伝統の染物は美しい青を生み出します。
■江戸時代から受け継ぐ技法

染料から引き上げた糸を絞ると...。余計な液体が滴り落ち、鮮やかな藍色が現れます。伝統の染色技法「正藍染(しょうあいぞめ)」です。
<正藍染小原屋 小原康之介さん>
「青というきれいさを出していきたいなと思うので、いかにその青を美しく見せるかっていうのを極めるのが修行かなと思いながら普段やってます」
御殿場市の藍染め工房「正藍染・小原屋」は江戸時代からこの技法を受け継いでいて、いまは5代目・小原康之介さんが店を切り盛りしています。
その美しい藍色は「みくりや染織」と呼ばれ県の「郷土工芸品」に指定されています。
■すべて手作業で染め上げる伝統の技

藍染の原料は藍の葉。小原屋では徳島県産の天然阿波藍のみを使い、醗酵・乾燥させることで、「蒅(すくも)」と呼ばれる染料をつくります。
<正藍染小原屋 小原さん>
「生きてる生き物と一緒で、それぞれ癖があったり個性があるのでそれぞれの管理の仕方がある、毎日の訓練が必要」
蒅に灰汁や石灰、日本酒などを加えて撹拌(かくはん)しながら発酵させることで、藍液ができます。藍液に浸かった糸は絞ることで空気に触れた瞬間、色が変わります。
現代の藍染めは一般的に機械と化学薬品を使って色を出しますが、小原屋はすべて手作業。深い藍色を出すためには50回ほどこの作業を繰り返す必要があります。
こうして生まれるみくりや染織は全国的に高く評価されています。ただ、すべてが手作りとなるため商品は高額に。若い人たちには手が出ないのが現状です。
■27歳の弟子が挑む新たな小物づくり

そこに新たな風を吹き込もうとしているのが2年前、小原屋に弟子入りした小林真子さん(27)です。
<正藍染小原屋 小林真子さん>
「修業するのは楽しいが、入ってみると工芸品が売れないというところもあって」
せっかくのいいものを多くの人に手に取ってもらうには...。小林さんは藍染を使ったトートバッグやボトルホルダーなど小物づくりを提案しました。
<正藍染小原屋 小林さん>
「自分もアクセサリーとかを作ることで、ここをきっかけにいろんな工芸品を知ってもらえる入り口となる商品ができたらなと思って作りました」
伝統を引き継ぎつつ新たな可能性を探る。生き残るためには必要な戦略です。
<正藍染小原屋 小原さん>
「自分ら職人がどれだけの思いを込めて作っているかっていうのも一緒に踏まえて見て喜んでいただけたらなと思います」
江戸時代から受け継がれるみくりや染織の深みある藍色。後世に引き継ぐための新たなフェーズに乗り出しています。
■予約で誰でも藍染めと織り物の体験が可能

小原さんが藍染めを続ける理由には、徳島県の藍の栽培農家を支える意味もあります。時代とともに藍染め工房が全国的に減少したことで、原料の藍をつくる人たちも減少。
伝統を守り抜くためにも自分たちが藍染めを続けることで支えになればと考えています。
小原さんの工房では、藍染めだけでなく、織り物の制作も行っていて、予約すれば誰でも藍染めと織り物の体験ができます。
みくりや染織の商品は工房のみで購入が可能です。
【正藍染小原屋詳細】
・住所:静岡県御殿場市荻原676
・TEL:0550-82-0511
・営業時間:8時〜17時
・定休日:なし












































































