
静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流から5年となった7月3日、犠牲者の遺族らが鎮魂の祈りを捧げました。

家族を亡くした深い悲しみ、そして「人災」への怒り。さまざまな思いが交錯した被災地の一日を追いました。
熱海土石流から5年の朝は、あの日と同じく雨でした。発生時刻の午前10時28分頃、遺族や被災者らが黙とうを捧げました。
「あの日の状態にかえしてくれれば、ありがてえなって…」

<妻を亡くした田中公一さん>
「あの日の状態にかえしてくれれば、ありがてえなって。そんな、儚い夢みたいなことをサイレン聞きながら考えてました」
<熱海市 斉藤栄市長>
「私たちはこの災害の記憶と教訓を決して風化させてはなりません。尊い命が失われた事実を重く受け止め、その教訓を次の世代へ確実に伝えていくことは、今を生きる私たちの責務です」
最愛の人を亡くした遺族の悲しみと怒りは5年前から変わりません。

<娘を亡くした小磯洋子さん>
「皆さん、未曾有の災害って言いますけれど、これ災害じゃなくて事件じゃないですか、だって人災なんですから。自分の子どもや親が突然殺されたら、あなたたちも平気でいられますかっていうことを言いたい」
5年前、熱海市伊豆山を襲った大規模土石流。
25メートルプール100杯以上に及ぶ大量の土砂が逢初(あいぞめ)川沿いを流れ下り、28人の命が奪われました。(災害関連死を含む)
小川慶子さん。夫の徹さん(享年71)を亡くしました。毎月3日の月命日は、自宅の跡地に足を運びます。

<夫を亡くした小川慶子さん>
「責任の所在をまだ裁判で争っているわけでしょう、これどういうわけなんでしょうね、本当に」
「本当に何も無くなってしまって…」

母の陽子さん(享年77)を亡くした瀬下雄史さん。1年ぶりに訪れた陽子さんの自宅の跡は、緑に覆われていました。
<母を亡くした瀬下雄史さん>
「本当に何も無くなってしまって、母の命まで奪われて、それはもう本当に悔しい」

向かったのは、土石流被害にあった逢初橋に近くにある「あいぞめ珈琲」。
「被害者の会」の代表として毎年7月3日に民事裁判の情報共有をしています。
<母を亡くした瀬下さん>
「民事裁判もいよいよ佳境に入ってまいりました」
責任の所在をめぐっては、盛り土を含む土地の前と現在の所有者、指導する立場だった熱海市と県に対して損害賠償を求める民事訴訟を起こしています。盛り土があった土地の前の所有者は「別の業者に土地を貸しただけ」などと自身の関与を否定しています。

現在の土地所有者は「責任がないとは思っていない」と証言したものの、違法な盛り土と認識しておらず、法的責任はないと主張しています。熱海市と静岡県を含めて責任の押し付け合いが続いています。
<母を亡くした瀬下さん>
「責任のたらい回しが見事に行われている。母の墓前に良い報告ができれば一つの区切りになると思っている」













































































