校外での学びを目的に平日に学校を休んでも欠席扱いとならない制度「ラーケーション」。静岡市の小中学校では2026年7月1日から導入されます。
新たな学びの機会として期待される一方、家庭環境によって利用しやすさに差が出るという課題も指摘されています。
<先生>
「皆さん、将来の夢あります?あるいは、今はまっていることはあります?」
29日、静岡市内の小学校で児童たちに周知されたのは、「ラーケーション」という制度です。
■「ラーケーション」とは?
「ラーケーション」とは学習という意味の「learning」と休暇を意味する「vacation」を組み合わせた造語。
保護者の休みに合わせて子どもが平日に学校を休み、家族での体験活動などを通して学びを深める取り組みで、休んでも欠席扱いにはなりません。
<先生>
「これは認められた休みになりますので、ぜひ有効に活用して」
全国の自治体で導入が進む中、静岡市の小中学校でも7月1日から始まります。
学校行事や定期テストなど教育委員会や学校が定めた「取得できない日」を除き、年度内に3日間まで取得することができます。
<小学6年生の児童>
「今社会で習っている貴族のこと、遺跡だったり残っているものを調べてそこに行ってみたいなと思います」
「今ワールドカップをやっているので現地に行って国際のことも調べたいし、サッカーという自分の趣味についても調べる」
■舞台鑑賞で「学校ではできない経験」
静岡県は現在、5つの県立学校でラーケーションを試験導入しています。
三島南高校演劇部3年の大城さんは、5月に東京で上演された舞台を鑑賞するため、ラーケーションを取得しました。
<三島南高校3年 大城柚稀さん>
「舞台鑑賞なのでちょっとずる休みみたいにならないかな。不安はありました」
土日の公演は倍率が高くチケットが取れなかったことから、平日の公演に行くことを決めたといいます。
<三島南高校3年 大城さん>
「プロの劇を自分の目で、その場に行ってみることで、役者の熱量とか舞台の空気、お客さんの空気を感じられたし、話していない人の動きとか舞台全体の流れも見られたのでとても勉強になりました」
大城さんは、学校が指定した報告書には書ききれないほどの学びや気づきをつづりました。
<三島南高校 内田英嗣教諭>
「学校の中にいる人間として授業を最優先してほしいという気持ちはありますけれども、学校の中ではできない経験をしっかりしてきてくれていますので、十分プラスの学びになるのではないかなと思っております」
■保護者から上がる期待と不安の声
静岡県は6月28日、ラーケーションを推進するためのセミナーを開きました。
<保護者>
「学びっぽいことをしないといけないのかなと思ったんですけど、もうちょっとバケーションを楽しむ感じでもいいんだなっていうのが、知れてよかったです」
家族で過ごす時間を確保しやすくなるなどメリットが期待される一方、こんな声も...
<保護者>
「否定的な考えの方もいると思うので、もうちょっと詳しくこういう話を聞く機会が保護者にあればいいのかな」
「塾とか行ってる子だったら授業は遅れても取り返せるでしょうけど。あとは小学校低学年の間かなとか、実際に高学年とかなっちゃうと授業ついていけないとしんどくなってくるとは思う」
子どもたちにとって実りある制度となるのでしょうか。
■10月以降にはすべての県立高校で「ラーケーション」順次導入予定
ラーケーションは県内でも広がりを見せているんですね。
<植田麻瑚記者>
はい。県が把握している自治体は35市町中9市町です。
静岡市は7月1日から、沼津市では2学期からで、10月以降にはすべての県立高校で順次、導入される予定です。
<影島キャスター>
これまでに県に報告された活動事例を見ると、テーマパークもOKなんですか?
<植田記者>
はい。教育委員会は「場所」ではなく「何を学ぶのか」を重視しています。
子ども自身の目的意識や家族との対話があれば、行き先はテーマパークでも対象となります。
一方、保護者の間では、▼平日に仕事を休めない、▼学習の遅れ、▼遊び感覚で終わりそう、▼申請の信ぴょう性などの懸念の声も上がっています。
制度を十分活かすためには、家庭環境による差をどう埋めていくのかが今後の課題となりそうです。












































































