
戦後の社会事件を描く「ルポルタージュ絵画」で知られる中村宏さん
浜松市出身で日本の戦後美術を代表する画家、中村宏(なかむら・ひろし)さんの作品展が1月20日、静岡県立美術館で始まりました。
中村さんは1月8日に93歳で亡くなりましたが、晩年は自らの戦争体験を描き続けてきました。絵画として、史実を伝え継ぐ意義を考えます。

戦後の基地拡張反対運動を描いた絵画に、日本人女性が米軍兵士に射殺された事件を題材の絵画。
社会的な事件を取材し描く、「ルポルタージュ絵画」の分野などで活躍した中村宏さんの作品を集めた企画展が20日に始まりました。
<滝澤悠希キャスター>
「中村さん、企画展に合わせて東京から県立美術館を訪れる予定でしたが、その姿は写真のみです。1月8日、すい臓がんのため、93歳で亡くなりました」
一般公開に先駆けて19日に行われた開会式では、関係者から黙とうが捧げられました。
「ただ怖いだけ」12歳の戦争体験
中村さんは、空襲の際に怯えながら入った防空壕など、晩年は自身の子どもの頃の戦争体験を描いていました。1945年の終戦時、中村さんは12歳でした。

<画家 中村宏さん>
「ただ怖いだけ。毎朝毎朝。恐怖の中にどろどろになって浸っている。その恐怖のために寝つきさえできないけれど、いつの間にか恐怖でくたびれて寝てしまう、子どもは」
絵画で遺したメッセージ
戦時中は戦いを賛美するものも多かった戦争画。しかし、中村さんはそれらの絵を逆の視点で解釈していました。
<画家 中村宏さん>
「戦争をモチーフにして絵の中におさめることはむしろやっていいんじゃないかと思う。『やるべきではないことをやったやつがいるから、これを記録に残しておくぞ、よく見ろ』というような」
70年にわたる創作活動の末、自らが見つめた戦争を描くにいたった中村さん。
絵画として時代を切り取る意義深さ。中村さんが遺したメッセージとして絵画に刻まれています。







































































