「彼女に会いたい」病院7階から手錠をつけたまま… 被告の男を逮捕 “空白の3時間” 監視の隙に 県警謝罪 =静岡・伊豆の国市

交際相手に会いたくて逃走した可能性

地域を不安にさせた逃走劇。勾留中にもかかわらず病院の7階の窓から手錠をつけたまま逃げた男は12月5日、逮捕されました。交際相手に会いたくて逃走した可能性が浮上しています。

午前2時頃、防犯カメラがとらえていたのはメガネをかけた男の姿。病院から逃走した被告の男(54)です。

<大西晴季記者>
「病院から続く道の脇にある郵便局の防犯カメラに、男が西の方向へ歩いていく様子が映っていたということです」

警察によりますと男は5日未明、入院していた静岡県伊豆の国市の病院の7階病棟にある個室の窓の鍵を壊して逃げ出したとみられています。病院には置き手紙があり、山か海に向かう趣旨の内容が書いてあったということです。

<近くの住人>
「小学校も休校になったと聞いたので、ちょっとやっぱり、怖いですよね」

逃走現場となった伊豆の国市では市立の小学校6校、中学校3校を休校にして児童、生徒には自宅待機、外出の自粛を呼びかけました。

<伊部桜輔カメラマン>
「伊豆の国市の図書館です。入り口には貼り紙がされていて、犯人逃走のため臨時休館と書かれています」

市内の地域子育て支援センターや体育館など22の公共施設で臨時休館となりました。

「彼女に会いたくて」逃走を図ったか

<杉村直美記者>
「逃走していた被告の男を乗せたとみられる車が富士宮警察署に入ってきました」

約300人態勢で男の行方を追った警察は5日午後2時頃、静岡県三島市内で身柄を確保し逃走の疑いで逮捕。逃走容疑について認める供述をしているということです。

男は2025年9月、スーパーで食品1点を盗んだ上、警備員を転倒させ、けがをさせたなどとして傷害と窃盗の罪で起訴されていました。その際、男は「彼女に会いたい」と話していて、彼女に会いたくて今回逃走を図った可能性が浮上しています。

警察署内で自ら箸で腹を刺し入院

前回の逮捕後、警察署内で自ら箸で腹を刺し、治療のために入院していた男。警察の説明では入院していた男を男性警察官2人が交代でカーテン越しに監視していました。

午前1時15分頃、「病室内にあるトイレに行きたい」と申し出た男がトイレから帰ってくる姿を確認。警察官は男を監視していたとしていますが、男がいなくなったのに気づいたのは午前4時頃でした。

空白の3時間について専門家は。

<犯罪ジャーナリスト 小川泰平さん>
「今回厳しいことを言うようですけれども静岡県警が失態した。被告人が窓に行くもしくは窓を壊す。もちろん音はするはずです。その時に部屋に1人警察官がいて見落としていたらそれは逆に大問題」

静岡県警は「多大な迷惑・心配をおかけしたことを組織として深くお詫び申し上げます」とコメントしています。

自転車で走っていたところを警察官が見つけ...

被告の男の身柄が置かれている富士宮警察署から中継です。現在もこちらには多くの報道陣が集まってきています。

逃走現場となった伊豆の国市では12月5日、市立の小中学校がすべて休校になりました。学校や学年によっては、学校配布のタブレットを使ってオンラインで朝の集会などを行ったということです。

被告の男の身柄が確保されたときの様子について、捜査関係者によりますと午後2時ごろ、三島市内の国道1号で箱根方向に自転車で走っていたところを警察官が見つけたということで、服装は逃走直後とほとんど変わっていなかったということです。

さらに、病室内にカギを壊せるような危険物はなかったということで、警察は逃走方法について詳しく捜査を進めています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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